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介護椅子の選び方ガイド|種類別のポイントと介護保険の利用方法を解説

介護椅子の選び方ガイド|種類別のポイントと介護保険の利用方法を解説

介護椅子の種類

介護椅子の種類

介護椅子には、使用する場所や目的に応じてさまざまな種類があります。それぞれの場所で「何に困っているか」を解決できる機能を選ぶことが重要です。

玄関用の介護椅子

玄関での靴の脱ぎ履きを安全に行うための椅子です。玄関は段差があり、靴の脱ぎ履きでバランスを崩しやすい場所です。

立ち上がりやすさはもちろんですが、ブーツやハイカットの靴を履く場合は、座面が少し高めの方が動作が楽になります。手をついて体を支えられるしっかりした肘掛けがあるものを選ぶと、より安全に動作を行えます。また、狭い玄関でも動線を確保できるよう、折りたたみ機能があるものや、杖立てがついているタイプも便利です。座面の下に買い物袋や靴を置ける棚がついていると、荷物を床に置くためにしゃがむ必要がなくなり、転倒リスクを減らせます。

リビング・ダイニング用の介護椅子

食事、団らん、休息を快適にするための椅子です。1日の大半を過ごす場所であり、食事のしやすさとリラックスの両立が求められます。

ダイニングテーブルで使用する場合は、テーブルの高さと椅子の座面高のバランス(差尺)が合っていないと、猫背になったり腕が疲れたりします。そのため、座面の高さ調整ができるタイプが理想的です。

また、食事のたびに椅子を引くのは、介護される方にとっても介助者にとっても重労働です。座面が回る回転式であれば、椅子を動かさずに身体の向きを変えるだけで済むため、負担が激減します。テレビを見たりうたた寝をしたりするなら、背もたれが高く(ハイバック)、リクライニング機能があるものが適しています。

浴室用の介護椅子

滑りやすい浴室での転倒防止と動作補助を目的とした椅子です。事故が起きやすい場所の一つである浴室では、安全性と衛生面が優先です。

湿気が多い場所なので、カビが発生しにくく、アルミやステンレスなど錆びにくい素材のものを選びましょう。座面の中央がU字型にくり抜かれているタイプは、立ち上がらなくても陰部やお尻を洗うことができるため、ふらつきの不安がある方に適しています。

濡れた床でも滑らないよう、脚先に大きめのゴムキャップ(滑り止め)がついているか忘れずに確認しましょう。日本の浴室は狭いことが多いため、家族が入浴する際に邪魔にならないよう、コンパクトに自立して折りたためるものが重宝されます。

なお、浴室用の介護椅子(入浴補助用具)は、条件を満たせば介護保険の特定福祉用具購入の対象です。

失敗しない介護椅子の選び方

失敗しない介護椅子の選び方

介護椅子選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

設置場所や使用シーンに合うものを選ぶ

どこで・何のために使うのかを明確にしましょう。
例えば、狭い浴室に大きなシャワーチェアを置くと、介助スペースがなくなってしまい本末転倒です。設置場所の広さを測り、動線の邪魔にならないサイズを選ぶ必要があります。また、ダイニングであればテーブルとの高さの相性も考慮しましょう。

利用者の体格や身体状況に合ったものを選ぶ

ご本人の身長や体重、身体の動きに合わせて選ぶことが重要です。
小柄な方には座面の低いもの、体格のよい方には耐荷重が高く座面の広いものが適しています。また、片麻痺がある方の場合は、健側(麻痺のない側)で操作しやすいレバー位置のものや、移乗しやすいように肘掛けが跳ね上げられるタイプなどを検討するとよいでしょう。

厚生労働省の『職場における腰痛予防対策指針』などでも、椅子に座った状態で足の裏全体が床に接していることが推奨されており、適切な座面の高さの目安は以下のとおりです。
まずはご本人が実際に座ってみて、深く腰掛けた状態でカカトまでしっかりと床についているかを確認しましょう。足の裏全体が床にしっかりと着かない高すぎる椅子は姿勢を不安定にし、逆に低すぎる椅子は立ち上がる際に膝や腰へ過度な負担をかけます。

長年愛用している椅子でも、加齢による体型の変化や筋力の低下により、高さが合わなくなっているケースが多々あります。

参照:『職場における腰痛予防対策指針』(厚生労働省)

必要な機能や安全性を把握しておく

介護椅子には、利用者の身体状況や介護者の負担を軽減するためのさまざまな機能があります。必要な機能を具体的に把握し、安全性とのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
主な機能と特徴は以下の表のとおりです。

機能 特徴・メリット

立ち上がり補助機能 座面の昇降や傾斜により立ち上がり動作を助け、膝や腰への負担を軽減する

肘掛けの可動性 跳ね上げ式や取り外し式であれば、ベッドや車椅子からの移乗がスムーズに行える

リクライニング・チルト 背もたれや座面の角度調整により、休息時の姿勢維持や体圧分散(床ずれ予防)に役立つ

キャスターとロック 食卓への移動に便利ですが、立ち座り時は忘れずにロック(ブレーキ)をかけ、転倒を防ぎましょう

素材とメンテナンス 食べこぼしなどに備え、防水・防汚加工された素材を選ぶと衛生的

機能面だけでなく、ご本人の気持ちと安全性のバランスにも配慮が必要です。
よくあるのが、長年使っている回転椅子に愛着があり、危なっかしいけれど変えたがらないケースです。ご本人にとっては慣れ親しんだ椅子が落ち着く場所であり、無理に変えると心理的なストレスになることもあります。

こうした場合、頭ごなしに否定するのではなく、「立ち上がる時だけは杖を使おう」「足元に滑り止めマットを敷こう」など、今の習慣を尊重しつつ安全性を高める声掛けや工夫を取り入れてみてください。

配信元: Medical DOC

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