50代に入ったころのことです。「まさか自分が」と思わずにはいられない出来事が起こりました。あのとき感じた胸のざわつきは、今でもはっきりと思い出せます。
疲れだと思い込んでいた動悸
当時は仕事が立て込んでおり、忙しい日々が続いていました。以前より動悸や息切れを感じることが増えていましたが、「年齢のせいだろう」「疲れているだけ」と深く考えずに過ごしていました。
ある日、階段を上がっただけで胸がバクバクと暴れるように脈打ち、その場に座り込んでしまいました。鼓動が自分の体ではないように感じられ、不安がよぎりましたが、それでも「寝れば治る」と思い、その日は早めに休みました。
医師の真剣な表情
ところが翌朝になっても、脈はどこか不規則で、胸の違和感も続いていました。心配した家族に強く勧められ、しぶしぶ近隣の医療機関を受診しました。
心電図を確認した医師は、表情を引き締めて「すぐに専門科を受診してください」と言いました。その真剣な様子に、ようやく事の重大さを感じました。
紹介先の医療機関で精密検査を受け、告げられた診断は、心臓の上の部屋(心房)が不規則に細かく震えることで、脈がバラバラに乱れる不整脈の一種「心房細動(しんぼうさいどう)」でした。放置すると脳梗塞のリスクが高まると説明を受け、背筋が凍る思いがしました。

