記録的な大雪の日、自分たちの駐車スペースすらろくに雪かきしない頼子一家。さらに、夫の提案で「たまには車を出す」という話になるも、頼子はチャイルドシートの付け替えが面倒という理由で拒否。彼女の徹底した「自分ファースト」に冴子の堪忍袋の緒が切れる。
雪かきを必死でやっていたのに、ママ友は…
それからというもの、なんとなく頼子ちゃんと会うのが億劫になってしまいました。連絡が来ても「ちょっと予定があって」と濁す日々。でも、住んでいる場所が近すぎると、物理的な距離は置けません。
去年の冬、この地域を記録的な大雪が襲いました。うちの駐車場と頼子ちゃんの家の駐車場は隣り合わせ。朝起きると、車が埋まるほどの積雪です。
「拓哉、悪いけどリョウを見てて。私、今のうちに雪かきしちゃうから」
「交代でやろう。これ、一人じゃ無理だぞ」
夫婦二人で、腰を痛めながら必死に雪を掻きました。隣の頼子ちゃんの家の車も雪に埋もれています。でも、彼女たちの家から人が出てくる気配はありません。
ようやく私たちが一台分のスペースを確保し、ヘトヘトになっていたころ。ようやく頼子ちゃんと夫の昇さんがスコップを持って出てきました。 でも、彼らはほんの10分ほど表面の雪を払っただけで、「あー疲れた!もう入ろー!」と、家の中から顔を出した頼子ちゃんに促されて、さっさと家に戻ってしまったんです。
珍しく車に乗せてくれると思ったのに
結局、残された雪が私たちのスペースに崩れてくるので、私たちが彼らの分まで雪かきをする羽目に。 『……自分たちのことしか、考えてないのかな』
そんな雪がまだ溶けきっていない、ある日のこと。 たまたま外で昇さんに会いました。
「あ、冴子さん。今から公園行くんですけど、良かったら一緒にどうですか?今日は僕が運転するんで、うちの車にチャイルドシート付け替えればいいですよ」
雪道の運転が苦手な私にとって、それは願ってもない申し出でした。いつも出してもらってばかりだし、たまには甘えてもいいかな……そう思った瞬間。
後ろからひょっこり顔を出した頼子ちゃんが、信じられない言葉を放ったんです。
「えー、昇くん。車、別々がいいな」

