プロの業者を手配し、庭やエアコンを浄化。節子の「聖域」は守りつつ、作業のための動線を確保させることで、実質的な環境改善に成功する。また、適度な距離を保つことで、春子は心の平穏を勝ち取った。
プロを義実家に送り込んだ
数日後、私は早速、清掃業者を手配し、義実家へと送り込みました。
「お義母さん、今日は私は手伝いませんから。プロの方に全部お任せしましょう!」
そう告げて、私は新をつれて近くの公園で待機しました。
数時間後、戻ってきた私たちが目にしたのは、劇的な変化でした。
ジャングルと化して、道路まで突き出していた庭の雑草と枯れ木がきれいに刈り取られ、数年ぶりに家の外壁が姿を現していました。
そして、室内では、まっ黒なカビの水を垂れ流していたエアコンが分解洗浄され、新品のようなかがやきを取り戻していました。
義母の正義を否定しないこと
「あら……なんだか空気がおいしいわね。心なしか、部屋が明るくなったみたい」
節子さんはおどろいたように、天井や窓の外を見わたしていました。
「これからは3か月に1回、私が業者さんを手配して、代金もこちらで持ちますね。お義母さんは何もしなくていいんです。ただ、業者の人が作業する場所へ行くための"道"だけは、空けておいてくださいね。プロの仕事のじゃまになるといけませんから」
私は、室内の物には手をふれませんでした。
私が掃除を始めれば、節子さんはまた「嫁に大事なものを捨てられた」という被害妄想をふくらませ、心を閉ざしてしまいます。
しかし、制服を着た「第三者」が「仕事」として淡々と作業する姿には、彼女も敬意を払わざるを得ないようでした。
もちろん、家の中の物の山はあいかわらずそこかしこに存在します。
しかし、「3か月に1回、業者が来る」という「期日」が設定されたことは、大きな変化をもたらしました。
義父が、「来週、業者が来るから、この段ボールを一時的にあっちの部屋へ移動させるぞ」と声をかけると、節子さんも渋々ながら協力するようになったのです。
結果として、ろうかや動線にあたる最低限のスペースが確保でき、それが維持されるようになりました。

