●「借りパク」を防ぐための対策は?
──借りパクを防ぐため、会社として取れる現実的な対応はありますか。
従業員が貸与品を返却しない場合に備えて、あらかじめ「期限までに返さなければ◯万円支払う」といった賠償額を決めておくことは、労働基準法16条が定める「損害賠償予定の禁止」に抵触するため認められません。
ただし、貸与時に
「貸与品は退職までに返却すること」
「合理的な理由なく返却が遅れ、その結果、会社に損害が発生した場合は損害賠償義務を負うこと」
といった内容を盛り込んだ合意書を取得しておけば、借りパクの抑止につながると思われます。
【取材協力弁護士】
中村 新(なかむら・あらた)弁護士
2003年、弁護士登録(東京弁護士会)。現在、東京弁護士会労働法制特別委員会委員、2021年9月まで東京労働局あっせん委員。2023年4月より東京労働局労働関係紛争担当参与。労働法規・労務管理に関する使用者側へのアドバイス(労働紛争の事前予防)に注力している。遺産相続・企業の倒産処理(破産管財を含む)などにも力を入れている。
事務所名:銀座南法律事務所
事務所URL:http://nakamura-law.net/

