夫の不倫が原因で離婚することになりました。家の名義を私に変更してもらうにはどうすればよいでしょうかーー。そんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者によると、夫はすでに家から出ていったそうですが、夫名義となっている住宅の名義変更を拒んでいるようです。住宅ローンはこれまでほぼ相談者が払ってきており、家の土地は相談者の母名義だそうです。
夫が拒んでいても名義変更はできるのでしょうか。また、住宅ローンや土地の名義、夫の不倫といった事情がどう影響するのでしょうか。簡単に解説します。
●家の名義を妻に変更するには、何が必要?
離婚に伴って家の名義を変える場合、「財産分与」という制度(民法768条)によることになります。
財産分与というのは、簡単にいえば婚姻中に夫婦で作り上げた財産を清算などするための制度です。
注意すべきなのは、「住宅ローンはほぼ妻が払っている」からといって、家が当然に妻のものになるわけではない、ということです。
たとえば、生活費の多くを夫が負担していたため、妻の収入をローンに充てられたという事情がある場合は、妻の財布から支払ったからといって、家は妻のもの、とはいえません。
実務上は、財産分与の割合は、50対50とする考え方が原則です。そうすると、不動産も預貯金も全部半分ずつで分けることになりそうです。
もっとも、不動産の名義を2分の1ずつに分けるのは、離婚後の2人が別々の人生を歩むことを考えると現実的ではありません。
そのため、不動産の名義は一方の単独名義にまとめ、もう一方には金銭(代償金)を支払う形の方が良いでしょう。
●名義変更には、夫の同意だけでなく銀行の承諾も必要となる可能性
住宅ローンがまだ残っている場合には、銀行の承諾が問題となります。
多くの住宅ローン契約では、銀行に無断で住宅の名義を変更することを禁止しています。 そこで、家の名義を夫から妻に変更するにあたって、夫の同意に加え、住宅ローンを借りている銀行の承諾が必要になる可能性があります。
銀行の承諾を得ずに名義変更をすると、銀行からローンの一括返済を求められたり、場合によっては抵当権を実行される(=家を競売にかけられる)リスクがあります。
妻が名義を引き継ぐには、妻の名義でローンを組み直すこと(借り換え)などが必要となる場合もあります。
住宅ローンが残っている不動産の名義変更には、このように複雑な問題が多いため、弁護士に相談することをお勧めします。

