「全身性エリテマトーデス(SLE)」という難病と向き合いながら、介護職や子育てを続けてきた飛田樹李さん(仮称)。17歳で発症し、将来への不安や周囲の理解不足に苦しみながらも、自らの手で人生を切り開いてきました。飛田さんが、20年以上にわたる闘病の記録と希望の光を語ります。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年8月取材。
体験者プロフィール:
飛田樹李さん(仮称)
1981年生まれ、長野県在住。17歳で「全身性エリテマトーデス(SLE)」を発症。高校卒業後は介護職に従事し、22歳と23歳の時に出産を経験。離婚を機に、シングルマザーとして2人の子どもを育てる生活が始まる。仕事と子育てに追われる日々を過ごし、33歳で再婚。現在も、家庭と仕事の両立に向き合い続けている。
高校生での発症と、突然の入院
編集部
病気が判明した経緯について教えてください。
飛田さん
17歳のある日、突然40℃の高熱が出てなかなか下がらなかったため、一人で大学病院を受診し、検査をしました。結果を聞く際には親も呼び出され、医師から「膠原病の疑いがある」と言われて検査入院が決まったのです。入院中も熱が下がらず、口腔内に直径5cmほどの円形の口内炎ができ、飲食もできないほどの痛みが続きましたね。精密検査の結果、「全身性エリテマトーデス」と診断され、すぐにステロイド治療が始まりました。
編集部
診断が下された時の心境について教えてください。
飛田さん
医師から「一生治らない」「子どもが産めるかも分からない」と告げられたこともあって、高校生だった私は毎日泣いていました。
編集部
高熱が出る以外に自覚症状はなかったのでしょうか?
飛田さん
仙腸関節の痛みで歩けないことがあり、複数の病院を受診しても改善されなかったことくらいですね。健康優良児として育ったので、検診でも特に異常はありませんでした。
周囲の理解不足による孤独な闘病生活
編集部
治療方針について医師からどのような説明がありましたか?
飛田さん
ステロイド薬の使用とその副作用について説明がありました。「骨粗しょう症予防のための薬を併用する」とも言われましたね。
編集部
発症後、生活にはどのような変化がありましたか?
飛田さん
ムーンフェイスや関節痛、強い倦怠(けんたい)感に悩まされた上に、学校ではいじめにも遭いました。文化・スポーツ推薦で入学した私にとって唯一の道だった剣道も、痛みとの闘いでした。当時は「膠原病」の認知度が低く、病名を伝えても先生ですら理解してくれませんでしたね。何度も死を考えるほど苦しい日々でした。

