脳トレ四択クイズ | Merkystyle
ライブドア事件で直面した“取締役の責任の重さ” ガバナンス改革担う市川佐知子弁護士

ライブドア事件で直面した“取締役の責任の重さ” ガバナンス改革担う市川佐知子弁護士

●「CGの形骸化」に抗う

ただ、社会の意識向上に反して、CGの形骸化を指摘する声もあり、「CGは企業の“稼ぐ力”の強化を目指していたのに、コードのコンプライアンスが目的のようになっています」と危機感を口にする。

CGコードは、政府の成長戦略として導入されたもので「攻めのガバナンス」が主眼だった。しかし、日本企業のROE(自己資本利益率)やPBR(株価純資産倍率)は改善したとはいえ、海外と比較すれば未だに低い。市川氏は「取締役会の弱さ」に原因があるとみる。 たとえば、日本企業は、長期戦略とは別に管理のしやすい3〜5年の中期経営計画を立案・公表することが多いが、未達成でも経営者は簡単に変わらない。「企業価値を上げられる経営者を選ぶのもCGです」

状況を打破するため自己研鑽を怠らない。財務・会計への理解が重要だと感じれば米国公認会計士(USCPA)に、長期戦略が必要ならばとサステナビリティ会計の資格(FSA Credential)も取得した。法律の専門家から企業経営の専門家へ—。労働法務で培った人事評価のノウハウも役に立っているという。これらをBDTIの研修に落とし込み、「日本企業のROE向上につなげたい」と語る。

弁護士になる前は銀行員だった。新卒で入行した1989年の年末、日経平均は当時の史上最高値を更新。そして年明けから急落した。“失われた30年”のはじまりにいた市川氏はいま、そこから立ち直ろうとする日本企業を支えている。

【プロフィール】
いちかわ・さちこ 東京大学法学部卒。銀行勤務を経て1997年に弁護士登録。公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)理事として役員研修を担う。東京エレクトロンなど社外取締役の経験多数。NY州弁護士や米国公認会計士(USCPA)、サステナビリティ会計(FSA Credential)の資格も有する。

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。