相手を思いやる気持ちは大切にしたい
ある日の午後、新居の庭でリョウと遊んでいると、近所に住むママさんが通りかかりました。
「こんにちは! 今日、お庭で採れたレモンがたくさんあるので、良かったらお裾分けさせてください」
「わあ、ありがとうございます!……あ、じゃあ、お返しと言っては何ですが、実家から送られてきたばかりのリンゴ、持って行ってくださいませんか?」
「いいんですか? うれしい! ありがとうございます」
そんな、ごく普通の、対等なやり取り。 相手を思いやり、感謝を形にする。そんな当たり前のことが、どれほど心地よいものか。
私は、あの時の自分に言ってあげたいです。
「違和感を無視しないで。その人は、あなたの優しさを消費するだけの人だから」
親しくなったからこそ、守らなければならない礼儀がある。 「親しき仲にも礼儀あり」という言葉は、人間関係を長く、大切に続けていくための知恵なんだと、今ならはっきり分かります。
今の私は、信頼できる数少ない友人と、優しい家族に囲まれて本当に幸せです。 もう、誰かの顔色を伺って無理な運転をすることはありません。
青空の下、リョウの笑い声が響きます。 私のハンドルは今、私が進みたい未来へと、しっかりと向けられています。
あとがき:ハンドルを握るのは「自分の人生」
「親しき仲にも礼儀あり」。この普遍的な教訓が、ラストのリンゴとレモンの交換シーンで優しく回収されます。奪い合うのではなく、補い合う関係。頼子との決別は、単なる逃げではなく、心地よい世界へ進むための必要な通過点でした。自分自身のハンドルをしっかり握って未来へ進む冴子さんの姿に、読後感も爽快な結末です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

