ナルコレプシーかもしれないと思ったら、どうすればよいか?
編集部
もし自分が「ナルコレプシーかも?」と思ったら、何をすればよいのでしょうか?
伊東先生
まずは睡眠専門外来や、睡眠を扱う神経内科を受診してください。ナルコレプシーは自己判断が難しく、専門的な検査が必要です。代表的な検査は、夜間の睡眠状態を調べるポリソムノグラフィー(PSG)と、翌日に複数回行う日中の眠気検査(MSLT)ですね。これらを使い、ナルコレプシーにみられる特徴的な睡眠パターンを調べたり、生理的な眠気の強さを客観的に評価したりします。受診前に睡眠日誌を2週間以上付けておくと診断がスムーズです。
編集部
治療法はありますか?
伊東先生
あります。日中の眠気を抑える薬を使用する、規則正しい睡眠スケジュールを維持する、短時間の計画的な仮眠を取るといった方法を組み合わせながら、治療するのが一般的です。起きる時間や寝る時間を一定にする、夜間の睡眠をしっかり取るといったことを意識してもらいます。
編集部
治療で症状の改善は期待できますか?
伊東先生
適切な治療によって多くの人が症状をコントロールでき、生活の質が向上します。治療と同時に、職場や学校などには病気であることを説明し、短時間休息をさせてもらう、仕事を調整してもらうなど、協力体制を整えることも大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
伊東先生
ナルコレプシーは思春期に発症することが多く、進学や将来の進路を左右する人生の大切な時期とちょうど重なります。発症すると、強い眠気のために授業中や試験で眠ってしまい、本来の力を発揮できないことも少なくありません。早期に治療を行い、本人が最大限のパフォーマンスを出せる環境を整えることが理想ですが、実際には受診が遅れ、社会人になってようやく診断されるケースも多く見られます。眠気や集中力低下が続く場合は、早めに専門医を受診してほしいですね。適切な治療を受けることで、日常生活や学業の質は大きく改善します。困ったことがあれば、睡眠の問題を中心に扱うクリニックに相談してください。
編集部まとめ
思春期の強い眠気は「成長期だから」「夜更かしのせい」と見過ごされがちですが、実はナルコレプシーが隠れていることもあります。進学や将来に直結する大事な時期だからこそ、本人の努力ではどうにもならない症状のせいで実力が発揮できなかったら、悔やみ切れません。眠気が続くときは、早めに専門医院を受診しましょう。

