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「起業家が描く未来の実現を法務の力で支えていきたい」挫折を原点に、挑戦者を支える 増島雅和弁護士

「起業家が描く未来の実現を法務の力で支えていきたい」挫折を原点に、挑戦者を支える 増島雅和弁護士

●大手も巻き込み金融生態系変える

金融庁退官後は、特にフィンテック分野で金融機関とスタートアップの橋渡し役を担った。警戒感をみせる大手金融機関に対し、説いて回った言葉がある。「拒絶するのではなく、コラボレーションして取り込むべきだ。あなた方がやらなければ競合他社がやる」

敵対ではなく協業こそが生存戦略であると説き、独立系ベンチャーキャピタル(VC)などを巻き込みながら、シリコンバレー流の契約実務を日本に定着させていった。

近年は、スタートアップとしてより難易度の高い「ディープテック」や、大企業によるM&Aの推進に注力している。40代半ばで特許を学び直して弁理士登録を行ったのも、大学発ベンチャーにとって生命線となる特許実務を深く理解するためだ。「イグジット(出口)とはあくまで投資家のための言葉であり、起業家にとっては通過点に過ぎません」といい、IPO(新規株式公開)だけでなく、M&Aによって大企業のリソースを活用することも、スタートアップの技術を社会実装する近道だと提言する。

資金もリソースもない段階の企業を支援することは、「完成された組織の法務よりも難易度が高い」と指摘。この分野を目指す若い法律家たちには、創業期の起業家から安易に多額の報酬を得ようとすべきでないと釘を刺す。「資金のない彼らにどうやって良質なサービスを提供するか、その工夫自体がイノベーションです」

法務という専門性を武器に日本のイノベーションを裏方として支える増島氏の基本姿勢は、一貫して「起業家への敬意」にある。「これからも、彼らが描く未来の実現を法務の力で支えていきたい」

【プロフィール】
ますじま・まさかず 東京大学法学部卒、コロンビア大学ロースクール修了。シリコンバレーの法律事務所勤務、金融庁への出向を経て、金融規制、資金調達、M&A等に注力。スタートアップやフィンテックに黎明期から関わり、政府会議の委員などを歴任するなど、ルール形成やオープンイノベーション政策を主導する。

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