脳トレ四択クイズ | Merkystyle
レンタカー返却で「飛び石による傷」→8万8000円請求された!支払い拒否できるケースとは?

レンタカー返却で「飛び石による傷」→8万8000円請求された!支払い拒否できるケースとは?

レンタカーを返却した際、身に覚えのない傷を理由に高額な修理代を請求された──。そんなトラブルがSNSで話題になっている。

Xの投稿によると、投稿主の友人が「ニコニコレンタカー」で車を借りた際、返却時に車体についた「飛び石」による小さな傷を理由に、8万8000円の支払いを求められたという。

友人は保険に加入していたものの、傷について店側に特段の申告をしないまま返却したところ、実費での支払いを求められたと説明されたとしている。

その後、ニコニコレンタカーを運営する会社は、支払い請求を取りやめて返金する対応をとると発表した。

では、一般に、レンタカー利用中に気づかなかったような極小の「飛び石」の傷でも、利用者は高額な修理代や休業補償を負担しなければならないのだろうか。

また、借りた側が傷をつけた自覚がない場合、店側から請求を受けたときには、どのように対応すべきなのか。好川久治弁護士に聞いた。

●疑わしい傷は「請求を争える」可能性

──レンタカーの利用中に気づかなかったような小さな傷でも、利用者は修理代や休業補償を支払う必要があるのでしょうか。

必ずしも支払わなければならないわけではありません。

傷が利用中に発生したものか疑わしい場合や、傷の大きさや状態、使用状況などから借りた人の不注意によるものと断定できない場合には、請求を争うことは可能です。

レンタカーを借りた人は、返却までの間、善良な管理者の注意義務をもって車両を管理し、借りたときの状態のまま返却する義務を負います。

そのため、この義務に違反して車両に傷をつけた場合には、修理費用や、契約約款で定められたノンオペレーションチャージ(NOC:修理期間中に車両を営業に使えなかったことによる損害を補填する違約金)を損害賠償として支払わなければなりません。

また、多くの契約約款では、使用中に車両の傷や異常を発見した場合、直ちに運転を中止し、レンタカー会社に連絡して指示に従うことが明記されています。

これを怠った場合、免責補償制度(CDW:修理代の自己負担額をゼロとする特約)が適用されず、修理費用を請求されることになります。

●利用中の傷かどうか、立証責任は会社側にある

──今回話題になったような「極小の飛び石」による傷はどう考えられますか。

まったく気づかないような「極小の飛び石」であれば、借りる前から存在していた可能性もあります。たとえ借りる際に傷の確認を形式的におこない、署名していたとしても、利用中に生じた傷であるかどうかを争うことは可能です。

利用中に生じた傷であることの立証責任は、レンタカー会社側にあります。

また、「極小の飛び石」は、通常の走行でも生じ得るものであり、借りた人の善管注意義務違反(故意または過失)によるものとは言えない場合もあります。

傷の大きさや状態、範囲はさまざまであるため、必ずしも「傷がある=善管注意義務違反がある」とは限りません。

さらに、まったく気づかなかったような「極小の傷」であれば、申告しなかったことを強く非難できませんので、免責補償制度(CDW)の適用を否定することは、信義則に反すると反論できる余地もあります。

これは、ノンオペレーションチャージの免責特約に加入していた場合も同じです。

なお、ノンオペレーションチャージは、修理期間中の休車損害を補償するための違約金ですが、レンタカー会社の規模が大きく、代用車両が多数あり、実際に損害が生じていないような場合には、消費者契約法10条を援用して、約定の適用を争う余地があります。

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。