夢二の感性を形作った「歌舞伎」という原体験

竹久夢二といえば、どこか儚げで愁いを帯びた「夢二式美人画」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、その造形美のルーツの一つが「歌舞伎」にあったことは、意外と知られていないかもしれません。
夢二は幼少期を過ごした岡山で芝居に親しみ、舞台上の役者の所作、艶やかな衣装、そして物語に流れる義理人情に強く惹かれました。本展では、夢二が歌舞伎からどのようなインスピレーションを受け、それを自身の芸術へと昇華させていったのかを、100点を超える膨大な資料から紐解きます。
【作品点数】107点(予定)
屏風作品4点、軸装作品29点、額装日本画8点、スケッチ・水彩画等10点、木版7点、著作本装幀本24点、楽譜5点、雑誌7点、その他(千代紙など)13点(内初公開2点)
圧巻のスケール!最大級の屏風作品《一力》が語るもの
竹久夢二《一力》夢二郷土美術館蔵
本展の目玉の一つが、夢二の現存作品の中でも最大級のサイズを誇る《一力(いちりき)》です。
『仮名手本忠臣蔵』の有名な一幕「一力茶屋」をモチーフにしたこの作品は、縦約1.7メートル、横約3.5メートルという巨大な屏風絵。主君の仇討ちという悲願を胸に秘め、あえて放蕩にふける大石内蔵助と、華やかな遊女たちの対比が見事に描かれています。
夢二独特の「S字ライン」で描かれた女性たちの立ち姿や、モダンな着物のデザイン。伝統的な題材を扱いながらも、夢二らしい現代的センスが光る傑作を至近距離で体感できる貴重な機会です。
竹久夢二《一座の花形》夢二郷土美術館蔵
竹久夢二《梅川忠兵衛》夢二郷土美術館蔵
竹久夢二《沼津の平作》夢二郷土美術館蔵
