過保護な母と二世帯住宅で同居し始めた主人公・諒子ですが、母は諒子夫妻の不在時に勝手に家へ入り、模様替えをしてしまいます。勝手な行動に怒る諒子と夫ですが、母とはわかり合うことができず…。
勝手にされた模様替え
二世帯住宅に住み始めて2年。事件は、私たちが家族で出かけていたある週末に起こりました。帰宅すると、部屋が勝手に模様替えされていたのです。驚いて玄関で固まっていると、母が平然とした顔でやってきて言ったのです。
「今日、風水が得意なお友達が来たのよ!こっちの家の中も見てもらってね、お友達のご主人にも手伝ってもらって、運気が上がる配置に変えたの」
頭の中が真っ白になりました。勝手に合鍵を使い、私たちが不在の家に他人を招き入れた?
「お母さん、それはやめてよ。勝手に家具の配置を変えられるのもイヤだし、私たちが知らない他人を入れたのもあり得ない」
「なによ、親切心で家を見てくれたのよ?悪運ばかりの配置だったんだから、ここまでしてもらって感謝してほしいくらいよ」
風水的に運がよくなろうが、私の気分が晴れるわけがありません。日々の忙しさで散らかった家に、赤の他人が入り込んで家具の位置を変えるなんてあってはならないこと。母には、プライバシーという概念が欠落していました。
夫が気持ちを代弁してくれたのだが…
「そもそもね、あなたたちが大して稼ぎもなくて透哉に大した暮らしをさせられてないのも、風水的に金運が悪いからなのよ。これからは運がよくなったんだから、もっとしっかり働かないとね」
意味不明な主張を繰り返す母。そんな中、それまで黙っていた夫・浩二がついに口を開きました。
「お義母さん、お気持ちはうれしいのですが、今後僕たちが不在のときはそういうことはやめてほしいです」
浩二は穏やかな言い回しながらも、母にはっきり言ってくれました。私は浩二がしっかり気持ちを話してくれたことがうれしかったのですが、母にとっては興奮した心境に油を注ぐことにしかならなかったようです。

