血圧の左右差があると大動脈解離を発症しやすくなる原因
血圧の左右差自体が大動脈解離を直接引き起こすわけではありません。血圧の左右差が大きい場合、その背景に血管の障害が存在することが多く、この状態が大動脈解離を発症しやすくします。具体的な原因を4つあげて解説いたします。
動脈硬化で鎖骨下動脈や上腕動脈が狭窄すると左右の血圧差が生じます。動脈硬化は、これらの血管だけでなく、大動脈にも影響がおよびます。その結果、大動脈壁の弾力性が失われ、大動脈の解離のリスクが高まります。喫煙、糖尿病、脂質異常症、高血圧などが要因となります。生活習慣を見直すとともに、異常が指摘された場合は、内科や循環器科を受診ください。
大動脈炎症性疾患
動脈に炎症が起こると、血管の狭窄や拡張が生じて血圧差が生じることがあります。高安動脈炎が代表的な疾患です。炎症が継続すると、血管の壁を内側から慢性的に損傷・変性させるため、動脈硬化とは異なる機序で大動脈壁が脆くなり、大動脈解離のリスクを高めます。症状として、発熱や脈の触れにくさを自覚することも多いです。疑われる場合は、膠原病科、リウマチ科、循環器科を受診してください。
先天性結合組織疾患
遺伝的に大動脈壁が弱い状態です。そのため、動脈が脆く変形しやすいため血圧差が起こります。代表的な疾患はマルファン症候群です。自覚症状がほぼ無いため、発見しづらい疾患ですが、身長が高い、関節が柔らかい、家族歴があるなどが診断の手がかりとなります。疑った場合は、循環器科を受診ください。
未治療の高血圧
高血圧は、大動脈壁に慢性的な過負荷を与えるため、血管が脆くなり、大動脈解離の最大リスク因子となります。健診等で血圧高値を指摘された場合は、自覚症状の有無にかかわらず、内科や循環器科を受診してください。また、普段から自発的に血圧を測定する習慣をつけることが大切です
動脈の解剖学的異常
動脈の分岐角度が鋭い、狭窄や蛇行があるなどの解剖学的異常があると、血流が左右不均等になり血圧差が生じます。この状態が継続すると、慢性的に動脈へ負荷がかかり、血管壁ストレスが増大し大動脈解離の要因となります。診断には、血管エコーやCT検査が有効で、循環器科または心臓血管外科が担当しています。
「大動脈解離と血圧の左右差」についてよくある質問
ここまで大動脈解離と血圧の左右差について紹介しました。ここでは「大動脈解離と血圧の左右差」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧に左右差が生じる原因について教えてください。
佐藤 浩樹 医師
代表的な原因は、動脈硬化による鎖骨下動脈や腕頭動脈の狭窄、血管炎による炎症性の狭窄、先天的な血管の曲がりや細さ、胸郭出口症候群による動脈圧迫などがあげられます。血圧の左右差が持続する場合は、血管の異常がある可能性があるため、循環器科を受診ください。

