アプリ上のやり取りは過熱し、達也はついにミキをデートに誘う。当日、夫は「休日出勤」とウソをつき、意気揚々と待ち合わせ場所へ向かい…。
夫の二面性に感心すらしてしまう
達也との「なりすましチャット」は数日間、つづきました。
その間、達也は私に、「今日も仕事、がんばるよ!優香もゆっくり休んでね」という、いかにも良き夫風のLINEを送りつづけていました。
その二面性に、はき気がするのをとおりこして、もはや感心してしまいます。
「優香、そろそろ仕上げに行こうか。達也さん、かなりミキ(私)に食いついてるよ。会いたくて仕方ないみたい」
真奈美がスマホを見せてくれました。
ついに夫がワナにかかった
画面には、「今週末、良かったら実際に会えませんか?おいしいイタリアンのお店を知ってるんです」という、達也からの誘いがありました。
「いいよ、乗ろう!場所はどこ?」
「駅前の、あたらしくできた商業ビルのカフェテラスだって。あそこ、見通しがいいから逃げ場ないね」
実家の両親には、「ちょっと真奈美とランチしてくる」と伝え、当日の準備を進めました。
「パパにお灸を据えに行ってくるからね」
私は、おなかをなでながら話しかけました。
この時点でも、私は離婚までは考えていませんでした。
でも、このまま見過ごせば…彼は、いつか本当に取り返しのつかない一線を越える。今のうちに、私のおそろしさと「浮気」の代償を、骨の髄までたたき込む必要があるのです。
「真奈美、当日は予定どおり、あなたが先に待ち合わせ場所に行って。私は少しはなれたところで待機してる」
「了解!マイク、オンにしておいてね。全部、録音するから」

