1型糖尿病の日常生活のポイント
編集部
薬だけではなく、生活自体を意識しなければならないのですね。
石田先生
食事量や運動量に応じて必要なインスリン量は変わるため、「食べてはいけない」と一律に制限するのではなく、インスリン量と行動のバランスを考えることが大切です。食事・運動と血糖変動の関係を把握することで血糖値も安定しやすくなります。
編集部
血糖コントロールができていないとどうなるのですか?
石田先生
血糖値が高い状態が続くと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症が現れる可能性があります。しかし、適切に血糖コントロールができていれば発症を抑えたり、進行を防いだりできます。
編集部
ほかに、1型糖尿病の人が知っておいたほうがよいことなどはありますか?
石田先生
1型糖尿病を抱えると、医療機関の受診や薬などの費用が大きな負担となってきます。特にインスリンポンプは高額になるため、費用が原因で導入を諦めてしまう人も多い印象です。しかし、公的な医療費助成制度を活用することで、このような負担を軽減できることがあります。例えば、障害厚生年金の対象となった場合、受給できれば最低でも月額約5万2000円が補償され、費用負担を大幅に抑えることが可能です。1型糖尿病の人は、このような公的な医療費助成制度の対象となる可能性があるため、まずは主治医に相談することをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
石田先生
1型糖尿病の病態は、患者さんごとに大きく異なります。先ほどの劇症1型糖尿病のように1週間程度でインスリンが分泌されなくなるタイプから、数カ月〜1年かけて分泌がなくなるタイプ、さらには数年単位の長い間インスリンの分泌が比較的よく残っているタイプもあります。費用の問題もあるため、いつ、どのような治療を導入していくか、主治医と相談しながら最適な治療法を模索することが重要だと思います。
編集部まとめ
1型糖尿病では、インスリンがほぼ出なくなるため、生涯にわたってインスリン補充が必要になります。一方で、治療技術は年々進歩しており、適切に管理すれば合併症の発症を抑制し、進行を抑えることができます。「いつもと違う」と感じたときは、早めに専門医に相談することが大切です。
参考文献
1型糖尿病ってどんな病気?(国立健康危機管理研究機構糖尿病情報センター)
1型糖尿病では障害年金はもらえないのでしょうか。(障害ねんきん.jp)

