●抽象的なオーダーを形にするポイント
──お客さんの「こんな感じで」というざっくりとした注文を実際の髪型として再現するのはとても難しい気がします。
作業専門官:本当にそこが一番難しいところです。お客さんの中には、希望する髪型を細かく言葉にしてくれない方もいます。だから「それを引き出す能力が必要だよ」と日々指導しています。
刑務所では通常、受刑者が会話するには「交談(こうだん)」の許可が必要です。ただ、この理容室にいるときは、お客さんとの会話を認めています。
──それはなぜ?
作業専門官:お客さんとの話が盛り上がってくる中で、「もう少し短くしてほしい」「ここをこうしてほしい」といった要望が出てくることがあります。そうした声を聞き取る力も、理容師にとって大切な仕事だからです。
なので、受刑者には「よく話を聞きなさい」と伝えています。

