国立健康危機管理研究機構が発表した2026年第11週の麻疹(はしか)報告数は累積139件に達し、前年を大幅に上回るペースで流行が拡大しています。アメリカやイギリスなど世界各地でも感染者が急増しており、国内への持ち込みやさらなる拡散への警戒が欠かせません。麻疹は非常に感染力が強く重症化の恐れもありますが、ワクチンで予防可能です。現在の発生状況の受け止めや必要な対策について、吉野先生に詳しくお話を伺いました。
※2026年3月取材。

監修医師:
吉野 友祐(医師)
広島大学医学部卒業。現在は帝京大学医学部附属病院感染症内科所属。専門は内科・感染症。日本感染症学会感染症専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医。帝京大学医学部微生物学講座教授。
前年比4倍超のハイペース! 現在の国内発生状況
編集部
国立健康危機管理研究機構が発表した内容を教えてください。
吉野先生
国立健康危機管理研究機構によると、速報値ベースで2026年第11週(3月9日〜3月15日)の麻疹(はしか)の報告数は総数32件で、累積報告数は139件となっています。前年の2025年第11週(3月10日〜3月16日)は報告数12件、累積報告数32件であったことから、今年は前年を大きく上回るペースで報告が増えており、今年は前年同期を大きく上回るペースで報告されており、注意が必要な状況です。
欧米でも感染者が続出。非常に強い感染力と合併症のリスクとは
編集部
世界での麻疹の発生状況について教えてください。
吉野先生
麻疹は世界各地で発生が増加しています。たとえば米国では2026年1月以降3月19日時点で既に1487例が報告されており、英国でも2026年1月以降、北ロンドンやバーミンガムを中心に報告が増えています。麻疹は非常に感染力が強く、地域社会で流行を防ぐには95%以上の2回接種率が必要とされています。麻疹は子どもの病気と軽く考えず、重い合併症や死亡につながる感染症であることを理解し、ご自身やご家族のワクチン接種歴をあらためて確認しましょう。

