Ⅱ:飛躍 渡英~第1次滞英期(1903-1917)
27歳で渡英し、その後ロイヤルアカデミースクールの入学試験に見事合格!日本人として初めての入学者となりました。才能と努力はもちろんですが、留学の機会を得る・師を紹介してもらうなど知人・友人・師匠など人脈にも恵まれた石橋。自身の人間力の高さが画家人生の道をどんどんと切り開いていったのではと思われます。

この2章には、遠くイギリスのあの!大英博物館所蔵の作品も展示されています。
今もなおイギリスで大切に保管されている石橋作品が日本で見られるチャンスです!

写真右の作品、これは渡英し描いた最初期の作品といわれています。細やかな花びらの表現など日本画の技術はイギリスでも多くの人々を魅了していきます。

婦人が本を読む美しい横顔。白い肌は筆あとを残さず滑らかに、対照的に服や袖は敢えて筆あとを残し背景は荒いタッチにすることで美しい顔が際立っています。この時代にあって、女性が本を読む絵が描かれたことには学校教育による識字率の向上という背景も読みとれます。

奥に進んでいくと多数の肖像画が!どの方も気品と風格が感じられます。
石橋の肖像画に共通するのは、顔は繊細緻密なタッチが際立ち、服や背景は暗い色味で大まかにという描き方です。どんな性格だったのかな?どんな生き方をしたんだろう?とその人物像に思いを巡らせて見入ってしまいます。
ロイヤルアカデミーで強く影響を受けたのがジョン・シンガー・サージェント。石橋が肖像画で力を発揮する礎となります。
2章には、ジョン・シンガー・サージェントなど石橋が影響を受けた作家や同時期にイギリスで活躍した日本人の作品もたくさん並んでいます。自身も苦労している時代に、後から渡英して来た日本人のために人を紹介するなど、そういう純粋さ・優しさが周りから支えられる人間力の一つだったのかもしれません。
Ⅲ:凱旋 第1次帰朝(1918-1919)

3章に入ると多くの版画が目に飛び込んできます。
14年ぶりに帰国した石橋は、第一次世界大戦下のベルギー難民を救うためこれらの版画作品の展覧会を行い精力的にチャリティー活動を行ったそうです。
こうした活動がベルギーと日本の友好関係を築き、後の関東大震災時にはベルギーから支援いただくことにもつながっていったとのこと、ここにも石橋の人間力を感じます。

またこの頃、イギリス帰りの石橋に肖像画を描いてもらおうと犬養毅や渋沢栄一などの政財界要人たちからの依頼も広がっていったそうですが、これは友人たちが石橋の再渡英のための資金集めにその枠組み作りをしたとのこと。ここにも周りに支えられる石橋の魅力を想像することが出来ます。

