私が50代に入ったころのことです。長く勤めていた職場に、新しい上司が赴任してきました。年下の男性で、仕事の処理は早いのですが、とにかく物言いがきつく、私のようなベテラン社員にも遠慮なく、強い口調で指摘する人でした。最初は「新しいやり方もあるのだろう」と受け止めていましたが、次第にその態度に戸惑うことが増え、職場に向かう足取りが重く感じた日もありました。
年下上司のやり方に戸惑う日々
新しく赴任してきた上司は、仕事の進め方を次々と変えていきました。私の作業に対しても、「そのやり方は少し古いですね」「もっとスピード感を持ってください」などの言葉を、やや強い調子で伝えてきました。
もちろん、仕事の改善は必要なことです。しかし、 長年続けてきたやり方を頭ごなしに否定されると、どうしても気持ちが沈んでしまいます。私はなるべく衝突を避けようと考え、指摘には黙って従うようにしていました。
取引先資料をめぐる小さなトラブル
そんなある日、大口の取引先へ提出する資料作成を任されました。私はこれまでの経験から、その企業が好む形式や注意点を把握していました。しかし上司は、「今回は僕のやり方で統一します」と言い、私の意見を聞かないまま独自のフォーマットで資料を作り直してしまいました。少し不安はありましたが、私はそのまま様子を見守ることにしました。
ところが提出後まもなく、取引先から「内容は良いのですが、形式が少しわかりづらいです」という連絡が入ったのです。

