当時小学6年で12歳だった少女に対して、夜間に3時間半以上にわたって自白を迫るかのような取り調べがおこなわれたとして、兵庫県弁護士会はこのほど、保護者の人権救済申し立てに基づく警告を兵庫県警に出した。
少女の同級生から「陰部を触られた」との申告を受けた県警明石署は、少女に「触っただろう」と誘導するような取り調べを繰り返したとされる。保護者の立ち会いも認められなかったという。
少年事件に詳しい元検事の弁護士は「警告は当然の事案だ」と指摘。社会的制裁よりも健全な育成を優先すべきであり、捜査機関はその姿勢を改めて見直す必要があると強調した。
●「覚えていません」否定する少女に誘導的な取り調べ
弁護士会によると、少女に対する触法調査は2024年2月28日、明石署で午後8時ごろまで続けられた。
少女は当初「覚えていません」「何のことかわかりません」と否定していたが、「触っただろう」と誘導するような取り調べが続いたとされる。
その過程で、少女が「叩いたかもしれません」と答えるようになると、警察は「叩いたということは触ったということ」としたうえで、「陰部を触った」とする内容の調書を作成したという。
さらに、全身写真が6枚撮影されたほか、保護者の同席も認められなかったとしている。最終的に、同級生は被害申告を取り下げた。
●年齢的に未成熟であるために迎合しやすい
元検事で少年事件に詳しい柴崎菊恵弁護士に聞いた。
──今回の事案をどのように捉えていますか。
犯罪の処罰対象とならない12歳の少女が否認していたにもかかわらず、明石署は、保護者を同席させる配慮もせず、夜間にわたって長時間の調査をしました。
その結果、年齢的に未成熟であるために迎合しやすいという特性を考慮せず、少女の自白調書を作成し、保護者の承諾なく写真撮影までおこないました。
兵庫県弁護士会が人権救済申し立てに関する警告を出したのは当然の事案です。
──本来ならば、少女に対してどのような対応が求められるのでしょうか。
14歳未満は「触法少年」として扱われ、仮に犯罪行為があっても処罰されることはありません(刑法41条)。児童相談所への通告や家庭裁判所への送致など、保護・指導が中心となります。
そのため、警察による触法調査では、少年に対する言動には注意が求められます。やむを得ない場合を除き、夜間の呼び出しや長時間の質問することを避けること、保護者の立会いに配慮することなどが定められています(少年警察活動規則15条、20条3項・4項)。

