人間には再現不可能な「薄さ」と「スピード」
手元に届いた「桃ピィ」は、丸いものが剥きやすいように刃がカーブした大型のピーラーです。「普通のピーラーでも代用できるのでは?」という懸念は、リンゴを一つ剥いただけで吹き飛びました。
リンゴ1個を剥くのにかかる時間は、長く見積もっても数十秒。驚くほど一瞬で皮が剥けます。そして何より衝撃的だったのが「剥いた皮の薄さ」です。少なくとも筆者には再現不可能な薄さで、しかも剥いた面がとても滑らかで美しい。
「リンゴは包丁できれいに剥かなくてはいけない」という義務感は、この圧倒的なクオリティを前にして瓦解(がかい)しました。私の中の既成概念が崩された瞬間でした。

「剥くのは桃ピィ、切るのは包丁」でハードルが消えた
もはや「桃ピィ」より速く、薄く、きれいに剥くことはできない――。この事実に、筆者は悔しさよりも安心感を覚えました。果物をきれいに剥かなければならない呪縛から解放されたのです。
「剥く作業」を道具に任せ、自分は切るだけ。この割り切りが、果物を食べる心理的ハードルを劇的に下げてくれました。最近では、海外の友人へのお土産やプレゼントとしても活用したいと考えています。日本の技術力で、果物がこれほど手軽に、美しく剥けることを知ってほしい。
自由に果物を楽しむ彼らにも、日本的な「きれいに剥いて美しく切りたい」という美学を知ってほしい……。そんな少しお節介な気持ちさえ湧いてくるほど、この道具は筆者の日常を豊かにしてくれました。
(千秋)

