脳トレ四択クイズ | Merkystyle
茨城県日立沖のマダイ

茨城県日立沖のマダイ

釣れると信じてひたすら巻く 浮いたマダイをタイラバで狙う

イチロウこと鹿島一郎さんは、テンヤをメインにすると決めていた。

幼なじみにマダイを配ることになっていたため、とにかく数を釣る目論見だ。

その狙いは的中した。

テンヤからビンビンスイッチに変更したヨッシー、もともとビンビンスイッチを使っていたタカハシゴー、そしてタイラバで釣りを始めたトモキこと板倉友基さんを尻目に、すぐにショウサイフグを釣り、続けざまに本命のマダイを釣ったのだ。

ヨッシー、タカハシゴー、そしてトモキの「巻き物組」は、アタリこそあれどなかなか釣り上げることができない。

飛びつきはするが、あまり口を使わないようだ。

……と思っていたのもつかの間、日立の海は極めて豊かだった。

釣り開始から1時間もたたないうちに、E2Fスタッフ総員が本命マダイの顔を見ることができたのである。

その中には、なんとビンビンスイッチを巻き続けるタカハシゴーの姿もあった。

正直なところ、彼は異型タイラバとでも言うべきこの仕掛けをあまり信じていなかった。

通常のタイラバヘッドは丸っこいが、ビンビンスイッチはちっちゃいイカみたいなくびれのある形状で、ネクタイはその上部に装着される。

全体的に極めてコンパクトで、とにかく変わっている。

「キワモノに見えるけど、ホントに釣れるの……?」

半信半疑でビンビンスイッチを巻くタカハシゴーの竿に、最初のアタリが出たときは、思わず「ぬおーっ」と声をあげた。

そして力弱~く巻き合わせをするとそれでもしっかりとフッキングでき、見事に1kg弱のマダイを釣ったのである。

「そ、底から5mほど上だったよ……」

半ば茫然としながら、タカハシゴーは言った。

「ホントにマダイって、浮いてるんだ……。底ベタじゃなくても釣れるのか……」

彼もタイラバでマダイを釣った経験はあるが、それはタイラバ専門船でのことだった。

フリーダムスタイルなら迷わず一つテンヤで重点的に底を狙いまくっていた彼が、ついに自分の意思で浮いたマダイを釣った。

大人の階段を昇ったのである。

釣行の写真

キャストで広く探って1kg級をキャッチ

テンヤとタイラバでアタリ活発 日立の海はフェスティバル状態

タカハシゴーを除けば手練れぞろいのE2F取材班は、「そりゃマダイは浮いてることもあるさ」と、そっけなかった。

だが、タカハシゴーの満足感は非常に高かったのである。

ヨッシーは、いつもどおりプロらしく冷静に分析していた。

「一つテンヤでの1投目にいきなりアタリがあったんだけど、底から5mぐらい上だったんだ。ちょうどゴーさんがビンビンスイッチで釣ったレンジだね。アタリがあってからフォールさせても、底まではテンヤを追ってこなかった。みんな気付いてたかな?巻き上げたテンヤ、冷たくなってたんだよね。冷たい海水が底のほうに溜まっていて、それをマダイが嫌ってるのかもね」

マダイ、浮いてる!

巻き、有利!

……とも言えなかった。

一つテンヤのイチロウが、バッタバッタと釣りまくっているのだ。

マダイに加えてハナダイ、ホウボウ、ショウサイフグ、サバフグ、ワカシ、サバ、ベラ、ムシガレイと、爆発的な釣果を上げるイチロウである。

イチロウは、テンヤでも工夫を凝らしていた。

「ゴーさんが巻きで食わせているのをヒントに今日のマダイは動きに反応してるのかな、と判断したんです。だからあまりテンヤを止めないように心がけました。底取りしてから50cmほど浮かせて、すぐにフォールさせるの繰り返し。止めるとすぐにフグが掛かっちゃうんで」

トモキは、巻きの釣りと一つテンヤをバランスよく織り交ぜながら釣果をのばしていった。

「タイラバは最初のうちは幅の狭いネクタイを使ってたんですが、ゲストが多くて……。ゴーさんが使っていたビンビンスイッチはネクタイが太かったから、『その差かな』って。僕もビンビンスイッチにしたら、マダイ中心に釣れるようになりました。ネクタイの幅で波動が違うからその影響なんでしょうね」

このトモキの言葉に反応したのはヨッシーだ。

「波動の違いによる食いの差は、かなりあったと思うよ」とヨッシー。

「最初のうちはジグに反応がなかったんだ。おれもビンビンスイッチに変えたら途端にマダイからの答えが返ってきた。ジグよりビンビンスイッチのほうが波動は大きいから、今日はそっちのほうがよかったんだろうね」

弁天丸はパラシュートアンカーを入れ、大きく流す。

マダイがいるポイントに差しかかると、すぐにバタバタッと船中がにぎやかになる。

「実は、いいサイズのマダイが、底のほうでタイラバにアタックしてくることもあったんだ。でもそれは底にいる魚じゃなかった。5mぐらい上の宙層にいた魚がタイラバを追って、着底した瞬間に食ってきてたんだよ。よっぽど底付近の居心地が悪いのかな、と思いたいところなんだけど、イチロウさんは釣ってるからなぁ……」とヨッシー。

釣り開始から3時間ほどはアタリは非常に多かったが、少しずつ落ち着き始め、12時の沖揚がり前にはポツポツとした拾い釣りになった。

終わってみれば、マダイの釣果はヨッシーとタカハシゴーとトモキの巻き組がそろって7枚。

一つテンヤをメインに釣りきったイチロウが15枚。

数は一つテンヤに軍配が上がったが、サイズは巻き組のほうが大きかった。

そして、ゲストが素晴らしく多彩だった。ハナダイ、カンダイ、イナダ、サバ、マゾイ、オキメバル、ヒラメ、ムシガレイ、マトウダイ、ホウボウ、カナガシラ、ショウサイフグ、サバフグ、ウマヅラハギ、トラギス、ベラと、E2F総員で16目を達成したのである。

左舷には二人のお客さんが乗船していたが、そのうちの一人が3kgのマダイを釣った。

ジグだった。

やはり今日は巻きの釣りのほうがサイズ的には有利だったようだ。

実はタカハシゴーは、自己記録である2.5kgを打破したい、という思いを秘めていた。

残念ながら、今回は最大で940g。

記録更新は持ち越しとなったが、「浮いたマダイを狙って釣る」というハードルを一つクリアした彼に、その瞬間は近い……のかもしれない。

「ま、楽しかったからいいじゃん」とヨッシーが言った。

「それぞれに色んな釣り方を試して、それぞれの答えを導き出せたんだから。マダイはそのときどきで何に反応してくるか分からないから、どれが正解とも言い切れなくて、その分飽きないんだよね。日立沖のマダイはサイズもいいし、また来たいね」

力強くうなずくE2F取材班。

そのときは、巻きなのか、底なのか……。

すでに悩んでいるタカハシゴーだった。

釣行の写真

ジギングで当日最大3kgを釣り上げた

釣行の写真

配信元: FISHING JAPAN