再婚したサユミに対し、玲奈は生活の荒廃を露呈させる。仕事を辞め、素性の知れない男に、わが子をあずけて夜の街へ…。母親の忠告も、サユミの助言も「しあわせな再婚さまの説教」とはねのけ、借金まみれの男との泥沼に沈んでいく。
彼女から「連絡の質」が変わり始めた
私が恭司さんと再婚し、あたらしい生活になれ始めたころ…。玲奈からの連絡は、グチと、「助けて」の二択になっていきました。
「サイアク! お母さんにまた、説教された。仕事を辞めて男と住むのが、そんなにわるいこと? 私の勝手じゃん!」
電話越しにわめく玲奈…。
彼女の母親は、昔からきびしいけれど、誠実で正直な人でした。
玲奈が、子どもをおいて男とあそび歩くようになり、実家を飛び出したことに激怒し、ついには、警察沙汰の親子げんかにまで発展したそうです。
同じ母親として理解できないことばかり…
「玲奈…おばさんの言うことは正論だよ。無断欠勤くり返して…仕事までうしなって、これからどうするの?」
「仕事なんて…夜職でもはじめればいいでしょ? 稼げるし。その間は、彼氏が子どもを見ててくれるから大丈夫」
絶句しました。
出会って数か月の…定職にもついていない男に、1歳と4歳の子どもをあずけて、夜の街に出る……。
同じ母親として、その神経が理解できませんでした。
「……彼、信頼できる人なの? 子どもたち、なついてる?」
「さあ? 寝てる間に出かけるから、関係ないし。…それより聞いてよ、彼さ、実は借金があったの。しかも、離婚の原因も、不倫されて被害者だって言ってたのに…本当は、自分が不倫してたんだって。ウケるよねー」
ちっとも笑えませんでした。
彼女の声からは、かつてのやさしさが消え、投げやりで攻撃的なひびきだけがのこっていました。

