危惧していたことが現実に
数週間後。夜おそく、里奈から着信があった。出た瞬間、彼女は泣き声だった。
「奈緒……やばい」
私は、里奈を落ち着かせながら話を聞いた。すると、次第に彼女の涙の理由が明らかになり、私は戦慄した。それは、私が想像していた“わるい展開”だった。
里奈はその日、拓也にメッセージを送っていた。
「今日もまた夫に否定された」「私、そんなにダメかな……?」「あなたと話してると救われる」
いつもの、なんてことない弱音だった。しかし、それを拓也の妻に見られたのだ。
拓也がお風呂に入っている間、テーブルに置いてあったスマホ。通知に表示された、里奈の名前。そして、内容の一部…。
里奈はふるえながら話す。
「拓也の奥さんから電話がきたの……」
拓也の携帯からだった。拓也かと思って胸を弾ませながら出ると、怒りが込められた女性の低い声が、冷たく、耳を刺すように聞こえてきたという。
「あなた、うちの主人とどういう関係ですか?」
一気に血の気が引いたらしい。
「……友だちです」
それしか言えなかった。実際、不貞の事実はない。子ども抜きで、2人きりで会ったこともない。でも、“ただの友だち”と言い切るには、少しだけ、後ろめたさがあった。
拓也の妻はどならなかったらしいが、とても冷たかったという。
「既婚者同士ですよね?家庭があるの、わかってますよね?」
淡々と正論を突きつけられ、里奈は何度もあやまった。
「誤解させるようなやり取りでした。もう連絡は控えます」
そうして、その場はなんとか収まった。
拓也も「誤解だ」と奥さんに説明し、ひとまず、夫婦の間でもこの一件は収まったらしい。
不貞の事実はないものの、精神的な面でお互いに支え合い、まさに「共依存」の関係に陥った2人…。拓也の妻に、疑われるのも無理はありません。
このあと、奈緒は友人として「きちんと考えるように」と、里奈と拓也、それぞれに忠告。お互いのパートナーのこと、そして何より子どものことを最優先に考え、順番を間違わないで欲しいと伝えます。
すると、奈緒の真剣な気持ちが届いたのでしょう。里奈と拓也は、それぞれ離婚し、いばらの道を歩むことを決意したのです。
もしも、友人同士が不倫をしてしまったら…。友だちとして、奈緒のように正しさを示すのは、とても勇気のいる行動です。ですが、友だちのために、見て見ぬふりはできませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

