かつて、「最強のチーム」だった私たち
「……彼女、やっと自分と向き合えたんだね」
手紙を読みおえた私に、恭司さんはやさしくほほえみました。
「人は、底を打ってはじめて気づくこともある…。彼女が自分の足で歩き始めたなら、きっとだいじょうぶだよ」
私はその手紙をそっと引き出しにしまいました。
返事は出しません。私には、守るべき「今」があるからです。
まどに目をやると、恭司さんとシン、リンが庭でたのしそうにプランターの世話をしています。おなかの中の赤ちゃんも、ポコッと元気にうごきました。
(玲奈…玲奈…さよなら。元気で…)
かつて「最強のチーム」だった私たちは、別々の道を歩むことになりました。
玲奈がうしなったものは、もう元には戻らないかもしれない…。彼女もそれはいたいほど、理解しているでしょう。
彼女が、大切なものから目をそむけてきた代償は大きい。でも、きっといつか…彼女なら、彼女の「答え」を見つけることができるはず。
私はしあわせになることをおそれず、このあたたかな日常を大切につみかさねていく…。
それが、私自身の選んだ「答え」なのだから。
あとがき:選んだ「答え」の先に
物語の結末は、安易な仲直りではありません。「返事を出さない」という選択は、おたがいが「一人の人間」として、自立して生きていくための最終ステップです。
底を打った玲奈が、虚飾をすててどろくさく生き始めたことに、一筋の希望が感じられます。
かつての「最強のチーム」は解散しましたが、それぞれが自分の足で「答え」をさがしつづける日々…。読後感に広がるのは、きびしい現実をのり越えた女性たちへの、しずかなエールです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

