院長と話し合い、「給料アップ」を条件に皆と同じように業務外の仕事をがまんすることにした、美奈。しかし、シフトを多く入れられ、扶養から外れそうに。ついに、転職活動を決意した美奈は…。
ついに転職先を見つけた
契約外の仕事を命じられ、「扶養内」から外れさせようとする院長に不信感を抱いた。
ベテランパートである山内さんのいや味ったらしい言動にも、辟易する。育児と家事…そして、パートでいそがしい日々のなか、私は転職活動を決意した。
もちろん、最初からうまくはいかない。しかし、何度目かの失敗をへて、次の転職先を見つけることができた。
となり町のクリニックで、今の職場よりはとおくなるが、車通勤を許可してくれたので、通勤時間は短縮できる。
「スタッフたちは、未就学児を抱える、似た状況の人も多いから安心してね」
女性院長の彼女は、こちらの不安を察して、丁寧に話してくれる。
「ありがとうございます」
「3か月以内に退職できなかったら、また相談してください」
「わかりました」
院長からの強い引きとめ
こうして、次の目途を立てることができた私は、すぐに、院長に対し、退職の意を伝えた。
「そんな、こまるよ。時給だって上げたのに」
「しかし、扶養から外れるのは…こちらとしてもこまりますから」
もう次の当てがある私は、強気に出ていた。そんなこちらに対し、院長は思いのほか食い下がる。
「たのむよ…もう少しだけ、がんばってくれよ」
彼がこれだけ引きとめるのには、理由がある。
最近、立て続けに、2人のパートが辞めていったからだ。理由は、介護や体調不良などだったが、実際はこの職場に「いや気が差したから」というのが大きな理由だろう。
"お局さま"である山内さんのふるまいと、院長からのムチャブリ。それらに迷惑をしている職員は、すくなくない。

