腹部エコー検査を受ける利点と限界とは?メディカルドック監修医が、被ばくのない安全性やリアルタイム診断のメリット、ガスによる影響などの注意点を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「腹部エコー検査でわかること」とは?メリット・デメリットも医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
腹部エコー検査の流れ
腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、痛みや放射線被ばくがなく、安全に腹部の臓器の状態を調べられる検査です。では、この検査で具体的に「何がわかる」のでしょうか。
この記事では、腹部エコーで確認できる臓器や発見できる病気、検査の流れや注意点まで解説します。
腹部エコー検査とは?
腹部エコー検査は、超音波を体にあてて臓器の状態を映し出す検査です。対象となるのは主に肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・大動脈などです。臓器の形や内部構造、血流の異常、腫瘍や結石の有無などをリアルタイムで確認できます。
健康診断の一環として自費で受ける場合には、4,000〜7,000円ほどが相場でしょう。何らかの症状があり、保険適用となる場合には、3割負担の方では2,000円ほどが目安となります。
腹部エコー検査前日の流れ
検査前には絶食(通常6〜8時間)が必要です。午前に検査予定の方は、前日22時以降は固形物や乳製品を取らないようにします。午後の検査予定の方は、検査前6時間は同様の食事制限があります。食後は腸内にガスが発生しやすく、臓器の映像が見えにくくなるためです。飲水は少量の水なら問題ありませんが、牛乳や炭酸飲料は避けましょう。
腹部エコー検査当日の流れ
当日の午前に検査がある方は、朝食を抜きます。午後の方は、朝食は軽めにし、昼食は抜くようにします。水分は検査2時間前までは200ml程度であれば飲んでも大丈夫ですが、胃カメラ検査などの他の検査がある場合にはそちらの指示に従うことが必要です。検査当日は上着をめくり、腹部にゼリーを塗ってプローブ(探触子)をあてていきます。検査時間は20分程度です。終了後はゼリーを拭き取ります。検査後の食事や運動の制限はありません。また、検査による痛みや不快感はほとんどありません。
腹部エコー検査のメリット
腹部エコー検査には、以下のようなメリットがあります。
身体の負担が少ない
放射線を使わないため被ばくの心配がなく、痛みもほとんどありません。妊婦や高齢者にも安全に行うことができます。
リアルタイムで表示される
超音波画像はリアルタイムで表示されるため、その場で異常の有無を確認できるのが大きな利点です。必要に応じてすぐ追加検査へつなげることも可能です。
早期発見されやすい
がんの種類にもよりますが、肝臓や腎臓などのがんを数cm以下の段階で発見できることもあります。肝臓や胆嚢、腎臓のがんにおいて、健診エコーで見つかったがんの方の方が、何らかの症状が出てから病院で分かったがんの方よりも生存率が高いという報告もあります。
肝炎ウイルス陽性の方などは肝がんの発症リスクが高まります。こうした方は、エコー検査を定期的に行うことで、がんの早期発見やその後の生存率向上につながる可能性があります。

