
熊本地震から10年。復興を着実に進めてきた熊本県ですが、実は、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のキャラクターたち「麦わらの一味」が、その歩みを下支えしてきたことを知っていますか? 作者の尾田栄一郎さんが熊本市出身という縁から、熊本県は、熊本地震からの復興を後押しするため、ワンピースとコラボした「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」を展開。その一環として主人公のルフィなど、麦わらの一味の銅像を、被害が甚大だった9市町村に計10体設置しています。被災地を照らすシンボルは観光振興にも一役買っていて、国内外のファンらが銅像に会いにやってくるといいます。熊本県では、熊本地震10年をワンピースと共に振り返る企画展を熊本県立美術館で開催中。この機会に熊本を訪ねてみてはいかがですか。
熊本県庁プロムナードに設置されたルフィの銅像
ONE PIECEの「麦わらの一味」10体 被災した9市町村に設置
2026年3月下旬、熊本県庁を訪ねると、本館前の遊歩道「プロムナード」にワンピースの主人公で船長、ルフィの銅像が黄金色に輝いていました。身長はマンガの設定と同じ、1m74cm。右手を力強く突き上げています。海外からの旅行客と見られる大勢の人たちが、ルフィを囲んで記念撮影をしていました。
ワンピースは、海賊王を目指す少年ルフィが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて、仲間たちとともに航海を続ける冒険物語です。1997年に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載が始まり、2026年3月には、最新の114巻が発売されて、コミックスの全世界累計発行部数は6億部を突破したことでも話題となりました。
ルフィ像がお目見えしたのは2018年11月です。作者の尾田さんが監修を務めました。熊本市出身の尾田さんは、熊本地震からの復興を願って、地震発生直後から支援活動を続けていて、熊本県に総額8億円以上を寄付。県がその一部をあてて、銅像を制作しました。その後、麦わらの一味たちも順次、設置されていきました。
熊本地震で最大震度7を2度観測した益城町では、コックのサンジ像が2019年12月に登場。給食センターが被災し、子どもたちが長期間、温かい給食を食べられなかったことから、料理で笑顔を復活させたいとの願いを込めて、サンジの像が置かれました。
益城町に設置されたコックのサンジ
南阿蘇村の旧東海大学阿蘇キャンパスには、2021年10月から考古学者のロビンが鎮座しています。ここは震災ミュージアムの中核拠点と位置づけられていて、地震により地表に現れた地震断層などを見学できます。歴史の語り部として研究を重ね、記憶と教訓を語り継ぐ手助けをしてほしいという思いが込められています。
旧東海大阿蘇校舎のキャンパス内に設置されている考古学者のロビン
熊本地震の震災遺稿として保存されている地震断層。旧東海大阿蘇校舎があるキャンパス内を貫いた
このほか、半分以上の家屋が全半壊した西原村には航海士のナミ、有明海に面した宇土市には操舵手のジンベエが設置されています。
西原村に設置された航海士のナミ
宇土市にある操舵手のジンベエ
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「ONE PIECE」の麦わらの一味に会いたい! 世界中からファンが熊本へ
被災地を照らす「麦わらの一味」に会いたいと、多くのファンらが国内外から熊本にやってきており、熊本地震や復興の歩みについて知る好機になっているようです。
ONE PIECE熊本復興プロジェクトを紹介する掲示物も
熊本県では、銅像のミニフィギュアも企画。お土産にと買い求める人が多く、宿泊、飲食などを含む経済効果は数十億円規模になるそうです。
熊本県観光振興課は、「ルフィをはじめとした麦わらの一味の銅像には、国内外から多くの観光客が訪れており、熊本地震からの復興の象徴となっています」と説明。「銅像のフィギュアやコラボお土産品の販売も展開されるなど、経済面においても復興の後押しとなっていて、今後もワンピースとともに創造的復興に向けた取り組みを進めていきます」としています。
銅像のミニフィギュアも販売されている
