法の前まで太刀打ちできない元夫
阿部先生は平治を事務所に呼び出した。最初は威勢よく「俺も浮気されてたんだ!俺の方からも訴えてやる!」と喚いていた平治だったが、先生に淡々と詰められた。
「夏乃さんがやり取りしていた相手はご友人です。それから、あなたが夏乃さんのメッセージを勝手に見た行為は不正アクセス禁止法違反、および脅迫にあたります。また、アパートの又貸しは管理規約違反です。今すぐ退去または名義変更をしてください」
平治の顔から血の気が引いていく。夏乃には強く出られても、法律の前では無力でしかないのだ。
「……分かったよ。出ていけばいいんだろ」
平治は最後までふてぶてしかったが、阿部先生の監視下で、ようやくスマホとアパートの解約書類に署名したという。
あとがき:法律という名の最強の護身術
話し合いが通じない相手には、感情ではなく「数字と法律」で殴るのが一番効く――そんな爽快感を意識したエピソードです。夏乃の前では怪物だった平治が、プロの前で借りてきた猫のように小さくなる姿は、まさに権威に弱い小物の証拠。名義という最後の絆(呪い)を断ち切る瞬間は、執筆していても一番筆が乗ったシーンでした。専門家の介入こそ、最強の盾ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

