結婚前の「顔合わせ」と聞くと、少し背筋が伸びる方も多いのではないでしょうか。きちんとした場での挨拶、緊張感のある空気。少なくとも、僕はそういう場面を想像していました。しかし、僕が実際に彼女の実家に行った際、待っていたのは……。
結婚挨拶は、まさかの餃子会場に
妻の実家に到着すると、彼女の両親はにこやかに迎えてくれました。
顔合わせということで緊張していた僕を待っていたのは、エプロンと大量の餃子の皮と具。そして、義両親の「じゃあ、みんなで包もうか」と、ごく自然な流れで、なんと餃子づくりが始まったのです。
困惑のままでしたが、僕は流れに身を任せ餃子づくりに。彼女も彼女の妹も慣れた手つきで餃子を包んでいました。一方の僕は、状況への驚きもあってかなかなかうまく包めず、出来上がるのは未知の生物。内心で「これは、結婚のためのテストか?」「今さら何か言い出しづらい」と混乱状態でした。
受け入れてくれているということ?
義母がそっと「大丈夫よ」と声をかけてくれたり、義父が「味は一緒だから」とフォローしてくれたり、義妹が「その形は逆にレアですね」と和ませてくれたりして、次第に脳内の混乱と緊張がやわらいでいきました。そのうちに、「ああ、これが彼女の家族なりに受け入れてくれているということなのかな」と感じて……。
気付けば最初の緊張は消え、餃子の数と笑い声だけが増えていきました。

