力強い言葉「協力させて」
山本さんは、子どもがまだ10歳のころに夫と死別。
そこからシングルで子育てをし、今は息子さんは成人して、家を出ているという。苦労した過去をふり返りながら、彼女は言った。
「昔はこんな風じゃなかったのよ。清掃も3か月に一度だったのに…いつの間にか増えててね。縮小する団体が多い中、時代と逆行しているわ」
彼女の言うとおりだ。この自治会は、時代に合っていない。
地域のつながりは大切。でも、周りを見わたせば、みんなつかれた顔をしている。
増えた行事に加え、見張られている圧迫感もあるからだろう。そして、私もまた、切羽詰まった事情を抱えていた。
「実は…次回の清掃は、参加できなさそうなんです。ハルナの習いごとの行事がかぶっていて…」
ハルナが大好きな英語教室の、ハロウィンイベントが、ちょうど清掃の日とかぶってしまった。
そちらを休ませてまで、清掃に連れ回すのはかわいそうだし、イベントに参加させたいと思う。
でも、康代さんはこわい。胃が痛くなっていると、山本さんが小さく言った。
「私に協力させて」
顔を上げると、山本さんがにっこりと笑っていた。
あとがき:キーパーソン「山本さん」の登場
3回目となる清掃作業。優香は子連れで参加しましたが、康代からまたイヤ味を言われ、監視におびえてしまいます。そんな時、出会った「山本さん」は、事情はちがえど、同じ「シングルマザー」という立場を経験した女性。
優香の苦労を身近に感じ取ってくれます。同様の経験を持つ人が近くにいるのは、心強いですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。
記事作成: hiiro
(配信元: ママリ)

