ママ友の誘いにのった夫
果たして、夫の車は里奈さんのアパートの駐車場に停まっていました。 暗がりの中、ボンネットを開けて作業する義彦と、その横でぴったりと肩を寄せ合い、甲高い声で笑う里奈さんの姿。
「あはは! 本当、義彦さんって何でもできるんだね。私、義彦さんが夫だったら良かったのになぁ」
「よせよ、里奈さん。……さあ、これで大丈夫だよ。もう遅いから帰るね」
「えー、お茶くらい飲んでいってよ。子もども寝たし、ゆっくりお礼させて?」
里奈さんの手が、義彦の腕に絡みつきます。 義彦は一瞬ためらったように見えましたが、その手を振り払うことはしませんでした。
「……少しだけなら」
その言葉を聞いた瞬間、私は楓を抱きしめたまま、その場を走り去りました。 涙が止まりませんでした。浮気なのか、それともただの親切心なのか、もうどうでもいい。
私を裏切り、彼女の「優越感」に加担した。その事実だけで、十分でした。家に戻り、最低限の荷物をバッグに詰め込みました。 書き置きを残す気力もありません。 私は楓をチャイルドシートに乗せ、深夜の高速を実家へと走らせました。
あとがき:「内緒」が壊した最後の結界
ついに一線を越えてしまった二人。仕事の延長という言い訳が通用しない「夜の密会」と、妻を煙たがるようなLINEのやり取りは、何よりも深い裏切りです。里奈の勝利宣言のような笑い声が、夜の駐車場に響くシーンは屈辱の極み。しかし、ここで泣き寝入りせず、即座に荷物をまとめて車を走らせた幸恵さんの決断には、母としての強さと、自分を安売りしないプライドが光っています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

