不参加になると、きびしく叱られる自治会に入った、優香。「次の清掃は欠席したい」と考え、なやんでいると、近所の中年女性・山本さんが「協力させて」と申し出てくれました。
自治会長宅を訪問
2か月後…私は、緊張した面持ちで、自治会長宅の前に立っていた。
インターホンを押すと、康代さんが出てきた。
「あら、優香さん」
「こんにちは。会長にも連絡しましたが、次回の清掃活動を欠席するので、あいさつに参りました」
「また休み〜?いいご身分ねえ…。はあ、ちょっと参加したと思ったら…すぐにあなたは…」
また叱りだそうとした彼女は、言葉を止めた。私の背後に立つ、もう一人の人物に気づいたからだ。
「…山本さん?どうして、あなたもここに?」
「少し、折り入って話したいことがありまして」
堂々とした姿勢の山本さん。玄関先で、彼女はきっぱりと言った。
「清掃を欠席した際の、あいさつ回りや物をわたすことを強要するのを、やめてくれませんか」
その迫力に、一瞬、康代さんは怯んだ。
自治会長妻VS婦人会会長
「どうして、あなたに言われなくちゃならないの!」
「私は"婦人会"の会長として、ここに立っています。同じ町内組織のトップとして、意見を言っているんです」
山本さんは、康代さんと同年代の53歳。ずっとこの地元に住んでいて、この町内に嫁いで来た康代さんよりも、土地との付き合いは古い…。
長年、「婦人会」の会長を担っているそうだ。憤慨した康代さんが、彼女に食ってかかる。
「私は会長の妻よ!他の女性たちのために、いろいろおしえてあげているのよ!」
「あなたに強制できる権限はないですよ。物をわたせというのもおかしいですし…。優香さんにいたっては、シングルでうごきづらい立場ですよね。配慮が必要です」
その言葉に、康代さんは反応した。
「そういや…あんたも独り身だったわねえ。シングル同士、べたべたなぐさめ合っているの?くだらない」
人としてどうかと思う発言だ。

