夫の謝罪を素直に受け入れるか躊躇う
翌朝、目が覚めるとひどい頭痛がしました。母が淹れてくれたお茶を飲みながら、ぼんやりと外を眺めていると、庭に義彦の車が滑り込んできました。
彼は憔悴しきった様子で、私の両親に深々と頭を下げていました。父に厳しく問い詰められ、義彦は蚊の鳴くような声で、すべてを白状したようです。
里奈さんからの誘惑があったこと。最初は断っていたけれど、徐々に「頼られる快感」に負けてしまったこと。そして、私への配慮が完全に欠けていたこと。
「幸恵、本当にごめん。俺が馬鹿だった……」
義彦は私の前で膝をつきました。
「里奈さんとは、もう二度と個人的な連絡は取らない。店にも、担当を変えるように手配してきた。彼女が何を言おうと、もう一切関わらない。だから……帰ってきてほしい」
私はすぐには頷けませんでした。 彼がしたことは、法的な「不貞」には当たらないかもしれない。でも、私の心は確実に殺されたのです。
「目の前で、彼女の連絡先を消して。ブロックするだけじゃなくて、履歴も全部消して」
私の言葉に、義彦は迷わずスマホを取り出しました。
あとがき:男の慢心と、女の覚悟
「頼られる快感」という浅はかな誘惑に負けた義彦。失って初めてことの重大さに気づく姿は自業自得ですが、幸恵さんの厳しい追及は、彼を「道具」から「夫」に引き戻すための荒治療でもありました。単なるブロックではなく、目の前で履歴ごと消させるという要求は、裏切られた側の消えない傷跡を象徴しています。許すためではなく、決着をつけるための静かな怒りが胸を打ちます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

