ついに夫からお誘いが…
やり取りは数日間続き、ついに彼から「その日」が提示された。
「リョウ:来週の水曜日の夜、会えませんか? まどかさんとどうしても直接話してみたいんだ。もしよければ、その後……ゆっくりできる場所に行きませんか?」
「ゆっくりできる場所」――ホテルに誘っているのだ。水曜日は私がいつもヨガ教室に行っている日だ。彼は私がいない隙に、完璧な密会を計画したつもりなのだろう。
「静香、食いついたわ。水曜日の夜、セックスもする気満々よ」
電話越しに、私は冷たく笑った。
「最高に惨めな思いをさせてやろうじゃない。りかこ、準備はいい?」
「ええ。とびきりの『絶望』をプレゼントするわ」
あとがき:隣にいる「独身男」の滑稽
スマホの画面越しに繰り広げられる、夫婦の皮肉な対話。広告系勤務で見栄を張り、一人暮らしの寂しさを演出する亮平の姿は、怒りを通り越して滑稽ですらあります。一番近くにいるはずの妻が、実は牙を剥いた獲物であるとも知らず、鼻歌混じりに浮かれ飛ぶ彼。この「情報の非対称性」が生む歪なスリルが、物語の毒気を一層強く、魅力的なものにしています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

