びまん性胃がんの検査と治療法とは?メディカルドック監修医が、内視鏡やバリウム検査、CT等の診断方法、外科的手術、薬物療法、緩和ケアの重要性を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「びまん型胃がん」の症状や原因・胃がんとの違いはご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。
「びまん型胃がん」とは?
びまん性胃がんとは、「スキルス胃がん」とも呼ばれている胃がんです。胃の壁にしみこむように広がっていくタイプのがんであり、進行が早く悪性度が高いと言われています。内視鏡で発見しづらい場合もあり、症状も出づらいことから気がついたときにはすでに進行して転移や腹膜播種をきたしていることも多いです。
2021年の統計では、胃がんの罹患数は男性で4位、女性で4位と日本人で比較的多いがんと言えます。この胃がんの中でびまん性胃がんの頻度は10~15%程度と言われています。前述したように、びまん性胃がんは発見された時には進行していることが多く、決して予後の良いがんとは言えません。しかし、早期で発見できれば生存率も高いと言われています。
びまん性胃がん(スキルス胃がん)について詳しい知識を得ることで、早期発見・治療につながる可能性があります。
びまん型胃がんの検査法
上部消化管内視鏡検査
口や鼻から内視鏡を入れ、胃の内部を直接観察する検査です。胃の粘膜を直接観察し、胃がんなどの病変の場所や形状を確認します。また、病変の一部を採取し(生検し)、病理検査を行うことで胃がんの診断をすることができます。しかし、びまん性胃がんにおいては、胃粘膜の下でがんの病変が進行するためわかりづらいことも多いです。
バリウム検査
まず初めに発泡剤を飲み、その後にバリウムを飲んでレントゲン撮影を行います。体位を変えながら、バリウムを胃の粘膜に広げ撮影します。バリウム検査では、内視鏡検査と同様に胃の病変を見つけることが可能です。また、びまん性胃がんでは胃の拡張が悪くなることが多く、バリウム検査で胃の拡張の悪さからびまん性胃がんが発見される場合もあります。
画像検査(CT、MRI、PET)
胃の周囲へのがんの進展や遠隔転移を調べるために、有効な検査です。CT検査ではX線を用い、MRIでは磁気を用いて体の断面を撮影して画像にします。造影剤を使用することにより、より詳細が分かることも多いです。
また、PET検査では放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射し、がん細胞がこのブドウ糖を取り込むことを利用してブドウ糖の分布を調べる検査です。CT、MRIではっきりしなかった転移などの病変を詳しく調べることができます。

