「強皮症」とはどんな病気かご存知ですか?原因や治療費も解説!【医師監修】

「強皮症」とはどんな病気かご存知ですか?原因や治療費も解説!【医師監修】

強皮症の診断と治療

強皮症の診断と治療

強皮症はどのような流れで診断されますか?

全身性強皮症の診断は、問診・診察・各種検査の結果を総合して行われます。皮膚だけでなく内臓にも影響が及ぶ可能性があるため、ひとつの検査だけで確定するのではなく、全身の状態を多角的に評価します。

問診では、現在の症状だけでなく、体調の変化や生活歴も確認されます。一見関係がないように思える内容でも診断の手がかりになることがあるため、過去の手術歴や職業、身体に起きた変化などはできるだけ正確に伝えることが大切です。

そのうえで診察や血液検査、画像検査などを組み合わせながら、「強皮症であるかどうか」だけでなく、次のような点を段階的に評価していきます。

病気のタイプ(軽症か、典型的な進行型か)

どの臓器に影響が出ているか

その程度や進行の有無

治療が必要な状態かどうか

日本では、全身性強皮症の診断に下記が用いられています。

大基準:手指や足趾を超えて広がる皮膚の硬化

小基準:(1)手指・足趾に限局した皮膚硬化、(2)指先の陥凹性瘢痕や萎縮、(3)両側肺の線維化、(4)特定の自己抗体(抗Scl-70抗体・抗セントロメア抗体など)の陽性

上記のうち、大基準を満たす場合、または小基準の(1)を満たしたうえで、(2)~(4)を1つ以上満たす場合に全身性強皮症と診断されます。

限局性強皮症は、境界がはっきりした皮膚の硬化がみられること、皮膚の組織検査で真皮の膠原線維の増加が確認されること、全身性強皮症やほかの類似疾患(好酸球性筋膜炎やケロイドなど)を除外できることをすべて満たす場合に診断されます。

強皮症が疑われるときに行われる検査の内容を教えてください

強皮症が疑われる場合は、皮膚だけでなく全身の臓器に影響が及ぶ可能性があるため、複数の検査を組み合わせて総合的に評価します。

基本となるのは血液検査です。全身性強皮症では多くの患者さんで抗核抗体と呼ばれる自己抗体が検出されます。さらに抗Scl-70抗体や抗セントロメア抗体などを調べることで、病気のタイプや特徴を把握する手がかりになります。

皮膚や血管の変化を確認する検査として、爪の根元の毛細血管を観察する毛細血管顕微鏡検査(キャピラロスコピー)が行われることがあります。肉眼では見えない血管の異常を確認でき、早期診断や病気の活動性の評価に役立ちます。

全身性強皮症では肺や心臓に変化が起こりやすいため、胸部レントゲンやCT検査、肺機能検査(肺活量など)によって間質性肺疾患の有無を確認します。加えて、心臓超音波検査や必要に応じてカテーテル検査を行い、肺高血圧症などの心臓・血管の異常を調べます。

消化管の症状がある場合には、食道や腸の動きを評価する検査が、腎臓への影響を確認するために血圧測定や血液・尿検査が行われます。

また、限局性強皮症では皮膚やその下の組織の広がりを評価するために、画像検査が用いられます。

造影MRIは皮膚だけでなく脂肪組織を含めた深部の病変を早期から評価できる検査です。

強皮症はどのように治療しますか?

全身性強皮症は、治療法が確立されていません。病気の進行を抑える疾患修飾療法と、症状を和らげる対症療法を組み合わせて行われます。

疾患修飾療法では、免疫の異常な働きを抑えることで病気の進行をコントロールします。特に、びまん皮膚硬化型の発症早期には、少量のステロイドや免疫抑制薬(リツキシマブなど)を用いることで、皮膚の硬化の改善が期待されます。

また、間質性肺炎に対しては、進行の程度に応じて免疫抑制薬(シクロフォスファミドなど)や抗線維化薬(ニンテダニブなど)が使用され、肺機能の低下を抑えることが目標です。

一方、対症療法では、現れている症状や合併症に応じた治療を行います。レイノー現象や皮膚潰瘍には血流を改善する薬、肺高血圧症には血管拡張薬、逆流性食道炎には胃酸分泌を抑える薬が用いられます。

さらに、関節痛には鎮痛薬、腎クリーゼには血圧をコントロールする薬(ACE阻害薬)などが使用されます。

一方、限局性強皮症では、病気の活動性があるかどうかが治療方針を決めるうえで重要です。

活動性がある場合は、病型に応じて治療が選択されます。斑状強皮症では、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬、光線療法などの局所療法が基本です。一方で、線状強皮症や広範囲に及ぶタイプ、あるいは難治例では、ステロイドの内服や点滴(ステロイドパルス療法)、免疫抑制薬などの全身療法が行われることがあります。

活動性が落ち着いている場合には、残った機能障害や見た目の変化に対する対応が中心となり、運動療法や温熱療法などの理学療法、美容外科的な手術が検討されます。

参照:
『診断はどのように行われるのですか?』(日本皮膚科学会)
『全身性強皮症』(慶應義塾大学病院KOMPAS)
『限局性強皮症』(小児慢性特定疾病情報センター)

編集部まとめ

編集部まとめ

強皮症は、全身性強皮症と限局性強皮症に大きく分かれ、それぞれで症状や治療法が異なります。

診断は問診・診察・検査を組み合わせて総合的に行われ、単一の検査だけで判断されるものではありません。特に内臓への影響の有無や程度を見極めることが、治療方針を決める際に重要です。

強皮症は個人差が大きい疾患であるため、不安な症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

参考文献

『全身性強皮症(指定難病51)』(難病情報センター)

『強皮症』(難病情報センター)

『原因はわかっているのですか?』(日本皮膚科学会)

『限局性強皮症の原因は何ですか?』(日本皮膚科学会)

『診断はどのように行われるのですか?』(日本皮膚科学会)

『全身性強皮症』(慶應義塾大学病院KOMPAS)

『限局性強皮症』(小児慢性特定疾病情報センター)

配信元: Medical DOC

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