許したわけじゃない。だけど確実に支配する…
「ねえ、りかこ。許したの?」
「許してないわよ。ただ、今は泳がせてるだけ。次に何かあったら、その時は法的手段でも何でも使って、徹底的にやるって決めてるから」
私はバッグからスマートフォンを取り出し、亮平の最新の居場所を確認した。自宅。彼は今、私のために夕飯を作って待っているはずだ。
「改心したなら、それでいい。でも、一度でもああいうことができた人なんだってことは、忘れない」
私は立ち上がり、静香に手を振った。
「これからも監視は続けるわ。次はもっと痛い目に遭わせる準備も、もう始めてるしね」
夕暮れの街を歩きながら、私は亮平にメッセージを送る。
『今から帰るね。ハンバーグ、楽しみにしてる』
すぐに返信が来た。
『気をつけて。最高のを作って待ってるよ!』
幸せな夫婦の、一見すると何の変哲もないやり取り。 その裏側にある歪んだ支配を、彼はまだ知らない。
あとがき:「死ぬまで解けない」呪いの完成
物語は一見、平和な食卓に戻ったかのように見えます。しかし、そこにあるのは愛ではなく「支配」です。夫は誰に見られているかわからない恐怖に怯え、妻は一生消えない不信感を抱え続ける。この「歪んだ幸福」の形こそが、裏切りの代償。ハンバーグの香りが漂う家庭の中に、見えない手錠の音が聞こえてくるような幕切れに、震えが止まりません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

