グルカゴン注射はどんな目的で使用される?

グルカゴン注射は、自力で糖分を摂取できずに重度の低血糖になった際の救急処置として用いられます。
意識障害を起こしている方の血糖値を速やかに上昇させ、脳への深刻なダメージや死亡リスクを回避するのが主な目的です。
また、救急目的以外に、以下のような検査でも活用されています。
・消化管のX線及び内視鏡検査(前処置)
・成長ホルモン分泌機能検査
・肝型糖原病検査
消化管検査以外では、おもにインスリンや成長ホルモンの分泌能力を調べるのによく使われています。
グルカゴン注射の効果

グルカゴン注射によって、どのような効果が得られるかを解説します。
血糖値の上昇
グルカゴン注射を打つと肝臓は強力に刺激され、グリコーゲンとして蓄えている糖分をグルコースに変換して血液中へと放出します。また、脂肪やアミノ酸からもグルコースを合成し、血糖値を上昇させます。
低血糖になっても本人の意識があれば、口からブドウ糖を摂取して問題なく血糖値を回復させられます。しかし、重度の低血糖で本人の意識が無い場合、口からのブドウ糖摂取は困難です。
そのような際は、応急処置としてグルカゴンの注射をおこなって血糖値を上げ、脳のダメージを抑える必要があります。
消化管の動きを一時的に抑制
グルカゴン注射には胃や十二指腸の筋肉を緩めて動きを一時的に抑える働きもあります。それにより、胃酸や膵液といった消化液の分泌も抑えられます。
消化管が動いていると、画像がぶれてうまく検査で映らないケースがあります。グルカゴン注射によって検査画像が鮮明に写るようになり、精度の高い検査が可能になるのです。
成長ホルモン分泌の刺激
グルカゴン注射をすると、一時的に血糖値が上昇し、60〜90分すると低下します。その際、脳の下垂体という部分から成長ホルモンが分泌されます。この作用を利用して、成長ホルモンの分泌能力がしっかりあるかの検査に使われます。

