
そんな用語を楽しく易しく解説する書籍『絵を見るときに知っておきたいキーワード 語れる名画BEST100』が発売となりました! 美術・アートに興味を持ち始めた方に、ぜひお手に取っていただきたい1冊です。
本書では、初心者さんがつまずきやすい用語から重要なものを100個厳選し、ランキング形式で解説。「エンタメ型教養本」という公式の紹介文のとおり、「楽しく読んでいるうちに、いつのまにか知識が身についてた!」を目指した書籍です。

そして、私も本書の執筆を共同で担当させていただきました! 同じくイロハニアートのライター・ヴェルデさん(竹内さん)、多数の媒体で活躍中の齋藤さんとの共著です。
というわけで本書について紹介していきたいのですが、普通に紹介しても面白くないので……著者のひとりだからこそ話せる裏話もたっぷり語っていきます!
ポイント①厳選した100のキーワードで美術に触れる!

本書の核となるのが、ランキング形式で並んだ100のキーワード。第1位「モチーフ」を筆頭にさまざまな用語が並び、美術に触れたばかりの方が学びに一歩を踏み出し、100歩まで一緒に歩める構成となっています。
キーワードはごった煮で、「○○派」といった画家の派閥・流派を指す用語もあれば、「油彩画」「テンペラ画」のように絵画の技法を示す用語など、本当に多彩です。もちろん、西洋美術・日本美術の両方を横断。しかも「名画BEST100」といいつつ、「仏像」や「インスタレーション」など、絵画以外の用語も入ってます。

なかには、「どうしてもこのキーワードを入れてください!お願いします!!」とライター側の強い要望でねじ込んだ用語も。たとえば、「唐絵」と「大和絵」、「洋画」と「日本画」などですね。議論の段階で100位から落ちそうになったとき、「私が責任を持って書くので!!入れてください!!!」と、気持ちは土下座でお願いしました。
詳しくは本書に書きましたが、ざっくり紹介すると、「大和絵」と「日本画」は日本で育った伝統的な絵画。一方、「唐絵」は中国由来の絵画、「洋画」は日本人が描いた欧米風の絵画です。

日本の美術は海外の影響を受けつつ独自に発展してきたので、海外と日本を対比する用語が結構多いんです。これらの用語を押さえるだけで、日本の美術の大きな流れがわかりやすくなるはず……と考えて強く推し、本書にも収録していただきました。
美術の話から少し逸れますが、現代の日本でもファッションやグルメのジャンルで「韓国風○○」というものをよく耳にします。海外の文化を吸収して自国にフィットするようにアレンジする日本人の特徴は、今も昔も同じなんだなと思ったり。

こんな風に、「これから美術に触れる人が最初に出会っておくと良い美術用語ってなんだろう?」に真剣に向き合って制作したのが本書です。西洋美術・日本美術の両方の知識を、バランスよく身につけていただけると思います!
ポイント②紙の書籍だからこそ載せられた絵画が多数!

100個ものキーワードを解説しつつも、本書は文章少なめ・作品の画像大きめの紙面構成。レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》やゴッホ《ひまわり》など有名作品から、かなりマニアックな作品まで100点以上載っているので、楽しみながらページをめくっていただけたら嬉しいです。
ふだんWeb記事を書くことが多い私としては、Web検索では出てきにくい絵画をいくつかお願いして載せていただきました。内輪の話ですみませんが、権利関係がいろいろあるため、Webだと紹介しやすい作家としにくい作家に差が出るのです…。

その結果、紹介しやすい作家の記事は溢れるのに対し、紹介しにくい作家の記事は相対的に少ない、というアンバランスな現状があります。今のインターネットは美術史的な重要さをまったく反映していません…。
書籍ではそんな課題を乗り越えたい! と考え、Webではあまり見かけない重要作家・作品も取り上げました。

そのひとつが、「岩絵具」とともに紹介した東山魁夷です。Web記事だと魁夷の作品を高解像度で掲載することはかなり難しいのですが……本書では魁夷の代表作《緑響く》を鮮やかな色彩で大きくご紹介させていただくことが叶いました!
ざっと類書を見渡しても、ここまで大きな図版で魁夷の作品を紹介している本はほぼないのでは? と思います。実は凄いページなので、舐めるように絵画を見て味わい尽くしていただければ幸いです!

他の作品も含め、掲載のための申請手続きにあたってくださった編集部の皆さまには感謝しかありません。私のわがままを受け止めてくださり、本当にありがとうございました。
