歯周病の外科治療

歯周病の基本治療を行ったのにもかかわらず改善が見られなかったり、歯周ポケットが深くなってしまっていたりする場合には、外科治療を行うことになります。
ここでは代表的な以下の2つの治療法を紹介します。
歯周ポケット掻爬術
歯肉剥離掻爬術
それぞれ確認していきましょう。
歯周ポケット掻爬術歯周ポケット掻爬(そうは)術とは、歯周ポケットの深さが4mm程度の場合に行われる外科治療です。
歯茎に麻酔を打ち、歯根に張り付いた歯石や歯周ポケット内の感染部位を取り除きます。歯根と周囲の歯肉が清潔な状態になるため、歯周ポケットの溝を浅くすることが可能です。
一部の歯肉を取り除くため、歯が縦長に見えてしまう一面があります。
歯肉剥離掻爬術歯肉剥離掻爬(そうは)術はフラップ手術とも呼ばれる治療方法で、歯周ポケット掻爬術では改善がみられない場合や重度に深くなったポケットが存在する場合に行います。
歯茎に麻酔を打ち、歯茎を切開して歯石を取り除くため、歯周ポケット掻爬術よりも確実に治療できるのが特徴です。
場合によっては感染している歯肉を取り除くこともあり、歯周ポケット掻爬術に比べて治療負担が大きくなります。
治療後は歯茎を縫い合わせるため、1週間後に抜糸が必要です。
重度の歯周病の場合

歯がグラグラと抜けかかっていたり、歯を支える役割を担う歯槽骨が溶けてしまっていたりと、重度の歯周病の場合にはさらに別の歯周病治療が行われます。
ケースによっては保険適用外の自費治療になる可能性もあるため、歯科医師とよく相談して決めることが大切です。
ここでは重度の歯周病の代表的な治療方法をご紹介します。今回取り上げるのは以下の4つです。
抜歯
エムドゲイン法
GTR法
骨移植
それぞれ確認していきましょう。
抜歯歯周病は、症状が進行すると他の健康な歯も巻き込んでしまう恐ろしい病気です。
歯周病治療を施している間に他の歯まで悪くなってしまうと判断した場合や、歯を支える歯槽骨の吸収が進行していると判断した場合には、最終的な治療方法として抜歯を試みます。
歯がグラグラとしていたり、咀嚼が難しかったりする場合には、抜歯の対応になることがほとんどです。
抜歯は保険診療になりますが、可能であればこれほどまでに症状が進行する前に、適切な治療を受けることが望ましいでしょう。
エムドゲイン法
エムドゲイン法とは、外科治療の際に手術部位にエムドゲインを塗布し、失われた骨組織の再生を図る治療方法です。
従来、エムドゲインは歯根が形成されるときに分泌される成分であり、骨組織を誘導する役割を担います。
6〜7割の確率で骨再生が可能になるため、重度の歯周病の場合でも抜歯せずに済むかもしれません。
→骨の吸収の量や形態によっては骨再生が期待できるため、重度の歯周病の場合でも抜歯せずに済むかもしれません。
より確実に歯石を取り除けるものの、歯の審美性が悪くなってしまう歯肉剥離掻爬術をカバーするためにエムドゲイン法を採用する場合もあります。
なお、エムドゲイン法は保険適用外になるため全額自費負担です。
GTR法GTR法とはGuided Tissu Regenerationの略語であり、歯周組織再生療法と呼びます。
歯周病が原因で破壊された歯槽骨や歯周組織に、「メンブレン」と呼ばれる膜を入れることで組織の再生を図ります。
「メンブレン」には製品化されたものもありますが、患者様の血液から作る場合もあり、歯科医院の方針や患者様の口腔状態によって手法が様々なのが特徴です。
血液からメンブレンを生成する場合には、医科で採血が必要になります。他の治療法に比べて感染症のリスクが低いため、身体に負担なく治療できるのが魅力です。
また、GTR法には保険が適用できるのも嬉しいポイントです。ただ、複雑な治療のためにGTR法を行う歯科医院は限られている点に注意しましょう。
骨移植
骨移植とは、歯周病によって吸収されてしまった骨の再生を図る治療のことです。
移植する骨には、患者様ご自身の他の部位から採取した骨や人工骨を使用します。GTR法では難しい、広く浅い部位にも適用できるのが特徴です。
歯周病治療を目的とした骨移植は基本的に保険適用となりますが、骨生成を促すエムドゲイン法を併用したり、特殊な人工骨を採用したりすれば保険適用外になります。

