虚偽の性暴力被害の訴えで名誉を傷つけられたとして、トランスジェンダー支援団体「Transgender Japan」元共同代表の浅沼智也さんが知人女性に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は4月24日、女性に79万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
加本牧子裁判官は、女性が主張した性暴力について「裏付けがなく不自然である」として、名誉毀損の成立を認めた。
●2023年に突如、要さんが浅沼さんを告発
賠償を命じられたのは、セックスワーカーなどで作る団体「SWASH」の元代表で、今年2月の衆院選に中道改革連合から和歌山1区で出馬し落選した要友紀子さん。
判決文などによると、浅沼さんと要さんは2019年ごろから交流があった。二人は2023年2月、都内で開かれた集会後、同じホテルに宿泊した。
要さんは同年10月、この宿泊時に浅沼さんから「全裸の状態で背後から抱きつかれるなどの性暴力を受けた」とする内容の文書を作成し、複数の団体や個人にメールで送信。同年11月には、同様の主張を含む文書をウェブサイトで公開した。
これに対して浅沼さんは2024年2月、要さんを相手取り慰謝料など計309万円の損害賠償を求めて提訴。
自身が性的な加害行為をおこなったという印象を与え、社会的評価を著しく低下させられ、精神的な苦痛を受けたほか講演の仕事を失うなど逸失利益もあったと主張した。
なお、要さんは2024年1月に被害届を提出し、浅沼さんは逮捕・起訴されたが、青森地裁は2025年1月、無罪判決を言い渡し、確定している。
●争点は「性暴力」の真実性
裁判では、主に次の点が争われた。
・要さんが送信・公開した文書が名誉毀損にあたるか
・文書に記載された「浅沼さんによる性暴力」という摘示事実が真実か、または被告が真実と信じる相当の理由があったか
・浅沼さんが受けた損害の有無と金額

