まったく片付いていない汚部屋に怒りが沸く…
「おかえり。いやあ、昨日から急いで片付けたんだけど、終わらなくてさ」
のんきに笑う父の背後で、母が顔を出しました。
「可南子!みちるちゃん、会いたかったわぁ!」
母が抱きつこうと手を伸ばしましたが、私は反射的にみちるを抱きしめて一歩下がりました。
「お母さん……これ、片付けたって言うの? 全然変わってないじゃない」
「何よ、せっかく前日徹夜してまで物を寄せたのに! 文句から始まるわけ?」
母の目が釣り上がります。足元には電化製品のコードが蛇のようにのたうち回り、埃の塊が舞っています。
通された客間は、さらに悲惨でした。かろうじて布団が2組敷けるスペースが確保されているだけで、周囲は衣装ケースの山。そして何より、凍えるほど寒い。
「お母さん、この部屋エアコンないの? 外にいるみたいに寒いんだけど」
「贅沢言わないでよ。昔はみんなこうだったんだから」
その横で、学人が小さく「ゴホッ、ゴホッ」と咳き込み始めました。私の心に、どす黒い不安と怒りがこみ上げてきました。
あとがき:期待という名の呪縛を解くために
「孫のためなら変わってくれるはず」という淡い期待が、無残に砕け散る瞬間の痛みは計り知れません。実家という場所が、安らぎではなく「戦場」や「我慢の場」になってしまっている方は意外と多いものです。特にお子さんやパートナーを連れての帰省は、自分一人の時とは違う責任感が加わり、親の無神経さが刃のように突き刺さります。まずは自分自身の直感を信じ、違和感を無視しないことが自分を守る第一歩です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

