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一口のモンブランが、人生を変えた。ショコラティエ・江口和明の「一撃必殺」

一口のモンブランが、人生を変えた。ショコラティエ・江口和明の「一撃必殺」

稲村さんの店から始まった、体験の設計

あの一口の感動が、パティシエの道に進む原点になった。

その後、洋菓子の老舗「フランセ」で誰よりも遅くまで残ってスポンジを焼き続け、レストランを運営する「グローバルダイニング」で経営を学んだ。無名の29歳で開いた赤坂の店で、カフェの商品をすべて無料にしたのも、まず食べてもらうことがすべての始まりだという確信からだった。

それらすべてが今、デリーモのお菓子の設計に流れ込んでいる。パフェのスプーンは小さい。大きな口を開けなくても食べられるサイズで、リップが汚れない。一品ずつ説明を添えたカードを用意するのも、店員を呼ばずに、その人の時間の中で静かに食べてほしいという思いからだ。

「届いたらその人の世界観の中で好きに食べてほしくて。始まりのタブレットを最初に食べてほしいと書いているのは、まずチョコを食べて1呼吸して食べ始めてよ、ちょっと落ち着きなよっていう意味なんです」

感動させられた体験を誰かに渡したい。そのためには、口に入れる瞬間だけでなく、手に取る瞬間から設計する必要がある。

「感動させられた」あの一口を、誰かに渡すために

江口さんは自分のお菓子づくりを「一撃必殺」と表現する。中にジュレを仕込んだり、層を作ったりして、1個食べたら満足する。3〜4口で食べ終わる。

これは、一般的なお菓子屋さんの考え方とは逆だという。

「本当はお菓子屋さんって、2、3個食べてもらわなきゃいけないように作るんですよ。でも僕は2個3個食べさせるなんて失礼すぎて、本能として一撃必殺なんだと思います」

この感覚が稲村さんのモンブランから来ていることは、江口さん自身も認める。

「影響されているんだなって思いました」

食べることで感動するという体験を、初めて知った一口がある。すいとんと薄切り玉ねぎの食卓を知っている人間が、あの瞬間に初めて感動した。スプーンのサイズを決め、ケーキの層の数を考える。そのすべては、あの体験を誰かに渡すためにある。

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【ゲスト】

第70回・第71回(3月27日・4月3日配信) 江口和明さん

シェフパティシエ・ショコラティエ。
1984年東京都台東区生まれ。製菓専門学校卒業後、渋谷フランセ、高級チョコレート専門店などを経て、日本初上陸のベルギー老舗ショコラトリー「デルレイ」のシェフに就任。26歳でグローバルダイニングに入社し、経営を学ぶ。2013年、29歳でパティスリーカフェ「デリーモ」を創業。現在、東京を中心に7店舗を展開。2020年よりYouTubeチャンネルをスタートし、登録者数38万人を誇る。

HP:delimo.jp
Instagram:@delimo_patisserie

【パーソナリティ】

クックパッド株式会社 小竹 貴子

料理愛好家・料理の楽しみ共創室 部長/創業期から参画し、初代編集長としてメディアづくりに携わる。現在は、料理家や生産者といった食のつくり手の声を届ける活動を行っている。「日経ウーマンオブザイヤー2010」受賞。プロの技術や食材の背景にある物語を、暮らしに馴染む言葉で伝えることをライフワークに、生活者の目線で食の楽しさを探求している。

X: @takakodeli
Instagram: @takakodeli

この記事はクックパッドのポッドキャスト番組『ぼくらはみんな食べている』の配信内容を再編集した記事です。

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