「終演後の早すぎる『ブラヴォー』は、私どもにとってうれしいものではございません」
2025年10月、名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)がXに投稿したメッセージは、クラシックファンにとどまらず大きな反響を呼びました。
あれから半年。名フィルに、その後の変化や観客との関係について聞きました。
●「あえて」の投稿に広がった共感と議論
〈様々なご意見があるかと思いますが、終演後の早すぎる「ブラヴォー」は、私どもにとってうれしいものではございません。完璧な静寂の方が、はるかにうれしいです。今日は、指揮者も楽員も事務局員も、失望を感じておりますので、あえて投稿いたします。〉
名フィルが昨年10月に「あえて」投稿したこのポストは、瞬く間に拡散し、「いいね」は11万件を超えました。
当時、SNS上では「ブラヴォーを趣味にする『ブラヴォーおじさん』が色々な演奏会に出没している。嫌がらせに思える」「静寂や余韻を楽しみたいのに全てが台無し」など、名フィルに共感する声が相次ぎました。
一方で、「ルールがあいまい」といった疑問も見られ、鑑賞マナーをめぐる議論が広がりました。
●半年後、名フィルは「関心を持ってもらえたことが意義深い」
では、その後、観客のマナーに変化はあったのでしょうか。
名フィルは、弁護士ドットコムニュースに対し「クラシック音楽の楽しみ方は時代とともに変化していくもの」としたうえで、半年前の反響について次のように振り返ります。
「演奏会のマナーや鑑賞スタイルについて多くの方に関心をお持ちいただけたことは、大変意義深いものと受け止めております」
観客同士が「演奏会の楽しみ方」を考え、共有するきっかけになった点についても「大変ありがたく感じております」とのこと。
一方で、拍手や声援について「明確な正解・不正解があるというよりも、まずは音楽そのものをお楽しみいただくことが何より大切であるという考えに変わりはございません」とも。
ルールで縛るより、まずは体験としての音楽を楽しんでほしい──そんなスタンスがうかがえます。

