体調不良の春子に理不尽な怒りをぶつけた、秋乃。そんな秋乃を、桃太は撃退します。その結果、チームや桃太の未来が大きく変わったようです。
チームの崩壊
それから一か月後。私たちは、正式に「ライジング・スターズ」を退団した。
おどろいたことに、あの日を境にチーム内では、かつてない「反乱」が起きたそうだ。
桃太のメッセージを聞いた保護者たちが、「子どもにあそこまで言わせるなんて」「秋乃さんは異常」「自分の子どもに、あんな風にだれかを傷つける大人になってほしくない」と、次々に声を上げ始めたという。
秋乃さんに媚を売っていたママたちも、世間の目と批判をおそれ、一斉に彼女からはなれていった。
孤立した秋乃さんは、「次期会長」の座を辞退せざるを得なくなり、コーチもまた「指導力不足」を問われ、チームの立て直しを迫られたそうだ。
退団者は今も増えつづけ、かつての「名門チーム」は風前の灯火だという。
けれど、今の私にとって、それはもうとおい世界のできごとだった。
見つけた、あたらしい場所
桃太は今、家から自転車で15分の場所にある、「サッカークラブ」にかよっている。
どうやら、元々友人から誘われていたらしい。話を聞くと、親ではなく「地域のボランティア」が、チームをサポートしているそうだ。それが私にとっても「いいのかも」と思えた決定打だった。
そこはおどろくほど合理的で、風通しの良い場所だった。
「送迎は各自の責任」「親が来られない時は自転車、または公共交通機関を使うこと」「それが自立への第一歩」という方針を徹底していた。
ボランティアさんのおかげで、保護者の当番制度もなく、必要な連絡はすべて公式アプリで完結。練習中の親の待機も自由で、秋乃さんのような「女王」が生まれるスキなど、どこにもなかった。

