みにくい計算はもういらない
「今日はシュート練習なんだ!」
玄関で元気よくクツをはき、自転車にまたがって風を切っていく桃太の背中。それを見おくる私の胸には、かつて味わったことのないような、はれやかな解放感が広がっていた。
週末、グラウンドに顔を出しても、交わすのは「こんにちは」「今日はひえますね」というさわやかで、適度な距離感のあいさつだけ。
だれが上で、だれが下か…だれに気に入られるべきか。
そんな、みにくい計算をする必要はもうない。
派閥やメンツ…そして、親としてのプライド…。大人の欲望に子どもを巻き込み、純粋なよろこびをうばうことが、どれほど罪深いことか…私は、この一年で痛いほど学んだ。
澄みわたる青空の下、芝生をかけ回る桃太の姿。ミスをしても、仲間と笑い合い、また前を向くその瞳。
(大切なのは、だれかの顔色をうかがうことではなく、自分の足で立ち、自分の心でたのしむこと)
あたりまえのようでいて、いちばんむずかしかったその答えに、ようやくたどり着いた。もう、胃の痛みも、くらい不安もない。
私と桃太のあたらしい季節が、今、ようやく始まったのだ。
あとがき:子どもの思いを守りたい
あたらしい道も見つかり、笑顔をとりもどした、春子親子。親の見栄やプライドで、子どもの夢や純すいな思いを汚すようなことをしてはいけない…。そんな、最も大切なことを考えさせられるエピソードでしたね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: kgrddm
(配信元: ママリ)

