●判決「事後検査は刑事訴訟法違反」
岡山地裁は「接見時のやり取り時においては、会話が次から次へと流れていくこともあり得るなかで、必ずしも筆記によるメモだけでは正確に記録化し切れないことも十分に想定される」と指摘。
ICレコーダーなどの録音機による記録化行為が「筆記によるメモの究極的な形態」であり、弁護士が第三者などに被告人の発言をそのまま再生して伝えることは「基本的には差し控えられるはず」などとして、接見交通権の保障の下にあると判断した。
そのうえで、事後検査について「職員が接見内容そのものを確認することとなり、接見そのものに立ち会ったのと実質的には同等のことがおこなわれたと評価せざるを得ない」として、刑訴法39条1項に違反すると認定した。
●国賠法上の違法性は否定
一方で、録音を事前に申告させる行為については、「事後におこなわれる検査とは異なり、原告と被告人との間でされた接見の内容そのものを確認するものではない」と違法性を否定した。
また、事後検査を実施した刑務所職員の行為は、法務省の通達に基づいておこなわれたものであると指摘。
当時、この通達に基づく事後検査が刑訴法に反するとした司法判断が出たことはなく、「通達の定めが明らかに法令の解釈を誤っているといえるだけの特段の事情も認めることはできない」とした。
そのうえで、事後検査をした職員について「職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったということはできず、国賠法1条1項適用上の違法があると認めることはできない」として、原告の請求を棄却した。


